5.実験実習機器センター
(1)実験実習機器センターの概略及び利用状況
1)実験実習機器センター(以下「機器センター」という。)は昭和62年4月に省令施設として
設置された。
2)組織は分子形態,分子生命,生命工学,細胞工学,医用電子,映像情報及び共通の7部門で
ある。
3)スタッフは専任助教授1名,教務職員2名,技官4名及びセンター長として講座等の教授1
名(兼任)である。
4)担当は分子形態部門に2名,分子生命部門(生命工学,細胞工学,医用電子部門も兼任)に
2名,映像情報部門に2名が配置されている。
5)場所は研究棟の1階の一部,院生棟の1階及び臨床研究棟の1階から3階までの1,750uで
ある(廊下部分を含む)。
6)機器センターの設置目的は「講座の枠を超えて,高度な大型機器や汎用利用の共同利用を進
め,日進月歩の医学生物分野での新しい技術を取り入れて共有していく」ことにある。
7)スタッフの業務は日常の委託業務以外に,研究者のための様々な研究支援である。
8)機器センターでは年2回のRLC Newsの発行する。
9)機器センターに対する要望のアンケート調査をして,それを反映させる。
10)要望機器のアンケート調査と予算申請を行う。
11)大型高性能機器については適時,使用操作法,最新のアプリケーション等について講習会を
開催し,機器使用の普及をはかる。
12)利用者会議等を行い,ユーザーとの交流と広報活動を行う。
13)その他多数設置されている汎用機器類がトラブルなく常に使用できるように管理運営をする。
14)各部門毎の運営に関する部門会を開く。
15 )利用状況は資料に示すように,どの部門も主要な機器については利用頻度が高いが,概算要
求で購入した機器はかなりの年数が経ち,故障が多発している。また,最近は維持費が付かな
い学内予算で購入した機器も増えている。
(2)今後の目標
1)近年概算要求による大型機器が導入されていないため,学内予算による中小型の機器の占め
る割合が増加している。そのため,機器の維持,および古い大型機器の修理のための費用が必
要となってきた。そこで部門毎に受益者負担という形で運営するべく,努力,工夫をする。
2)各研究者の専門外の研究手段など,研究に関する何でも相談窓口をE-mailに設け,研究支援
を試みる。
3)分子形態部門では光学顕微鏡,電子顕微鏡のデジタル化を進める。
4)分子形態部門では光学顕微鏡及び電子顕微鏡の資料作成依頼を積極的に受けるよう努める。
5)分子生命部門ではポストゲノムを見据えた実情で可能な研究方法を模索する。
6)映像情報部門では従来の業務に加えて,映像に関する教育機器の選定,管理,及び使用法の
指導などの支援を行う。
7)学内CATV−CHは1,3,5,7,9,11の6CHであるが,これからのことを考えると,CH数は多い方
が好ましい。そこで1,3,4,6,8,10,12の7CHにして1CH増加する。
8)機器の使い易いマニュアルを冊子あるいはVTRで作成する。
(3)最近の評価すべき活動
1)大学院生,及び技術部技術員に対する基礎的な生化学実験の実践セミナーを行っている。
2) 各部門の職員による医学部2年生を対象にした医用工学の講義と演習を行っている。
3)機器操作法以外に実験方法の具体的な指導,研究指導を行っている。
4)分子形態部門では電子顕微鏡の試料作成,撮影などの依頼,共同研究を支援している。
5)分子形態部門では顕微鏡用の試料作成技術の向上により委託業務に対応している。
6)分子生命部門では科学研究費(基礎研究C2)の獲得とそれによる研究業績をあげている。
7)分子生命部門では当センター所属の超純水製造装置による水の不純物の存在に関するユーザ
ーからの情報から,その原因を分析し,脳神経系に及ぼす化学物質を同定した。
8)分子生物部門では7)記載の事柄後,最新の超純水製造装置の必要性から科研費により購入
して環境化学物質に関する研究を行った。また,全学に水の純度の重要性をアピールした。
9)映像部門では学内オンライン教育システム運営において教材の基になる動画データの作成,
及び利用に関する教育・研修,さらに学内CATVの利用に関する業務を行っている。
10)映像部門ではスライドプレゼンテーション作成用コンピュータ操作の指導を行っている。
11)映像部門では患者教育用のコンテンツ作成など病院運営業務に支援している。
12)各部門の職員による医学部2年生を対象にした講義,実習を行っている。
13)各部門とも学会発表を通して最新の技術を習得し,技術の向上に努めている。
14)MINCSの放送実務業務を機器センターのスタッフが主として行っている。
15)MINCS運営に必要な無線免許を機器センター職員に取得させている。
16)MINCSの放送内容の充実,画質等放送技術の向上に貢献している。
資料 実験実習機器センター部門別利用件数
内 訳 |
平成9年 |
平成10年 |
平成11年 |
平成12年 |
備 考 |
分子形態部門 |
794 |
1,090 |
1,140 |
974 |
※1,2 |
分子生命部門 |
912 |
1,095 |
1,165 |
1,208 |
※2 |
医用電子部門 |
404 |
373 |
325 |
390 |
※2 |
生命工学部門 |
842 |
1,307 |
1,510 |
1,560 |
※2 |
細胞工学部門 |
108 |
194 |
175 |
262 |
※2 |
映像情報部門 |
10,062 |
11,607 |
14,908 |
11,700 |
※2 |
※1;1997年度版のときとはカウントの仕方を変えたため,件数が減ったかのような印象を受ける
が,実質上の変化はほとんどない。
※2;平成12年度は3月20日まで件数である。