Y 社会的貢献

1 教育関係

(1)各講座等における活動

  自己点検・評価2001年(教育)の「7 その他」の「(1)医学部と地域社会との連携・交流」

 を参照。 

(2)研修登録医の受け入れ 

○現状の点検

 1)地域の医師及び歯科医師の生涯学習に資するとともに,附属病院と地域の診療所,病院等と

  の連携を促進し,地域医療の発展に寄与することを目的とし,地域の医師及び歯科医師の申請

  により,資料1に示すように研修登録医(研修費は月額6,300円)として受け入れている。

 2)研修登録医をその量的評価で見る限り、平成11年度までは順調に経過してきた。しかし、昨

  年度(平成12年度)の登録医数は激減している。

 3)此の減少の原因は要因が多岐にわたるため調査中で、現時点では結論は得られていない。

○現状の評価

 1)登録医数の減少を回避するとともに、研修内容を充実する必要がある。

 2)地域医療をより一層充実のためには、本学医学部附属病院と関連する県内の医療および福祉

  機関が相互に交流を深め,連携を密にすることが必須であるとの観点から平成12年12月20日

  に「大分医科大学医学部附属病院と連携病院の交流推進委員会」を設置し,その第1回を平成

  13年7月18日に開催した。

 3)登録医数が4名に減少した平成12年度では質的評価は高く、登録医の数と研修の充実度との

  間には逆相関関係がある、そういう結果が調査資料からは得られている。

○将来の改善改革に向けた方策

 1)大学病院の役割として,21世紀医学医療懇談会等で医療人の生涯学習の機会と内容の充実が

  言われており,引き続き地域の医療機関と連携を図るとともに、受入に向けた積極的な対応を

  行っていく必要がある。

資料1 研修登録医の受け入れ状況

     

平成9年度

平成10年度

平成11年度

平成12年度

 備 考

研修登録医

   15

   8

   10

   4

 

(3)受託実習生の受け入れ

○現状の点検

 1)主な委託団体は近隣の専門学校等で,1〜2ヵ月間の学外実習として毎年計画されており,

  受託実習生(実習料は月額4,078円)として受け入れている。その実態は資料2に示すとおり

  である。

 2)診療放射線技師及び臨床工学技師の2職種は、平成4年度と平成6年度にそれぞれ1名ずつ

  を受け入れたきりで、その後は実績がない。

 3)看護婦(士)は平成10年度に4名を受け入れたが、それ以降は0名である。

 4)これ以外の職種では受け入れの状況に有意な変化はない。

○現状の評価

 1)診療放射線技師と臨床工学技師の2職種については、前者が受け入れ態勢は整っているもの

  の、需要に乏しい環境もその一因と推察される。後者は整備の未完成が主因といえる。

 2)栄養士の受け入れは平成4年度以降数が伸びていない。

 3)上記以外の職種についてはまずまずの達成といえよう。

○将来の改善改革に向けた方策

 1)診療放射線技師と栄養士の2職種に対しては、地域の各医療施設や団体にアピールする。

資料2 受託実習生の受け入れ状況

 内 訳

平成9年度

平成10年度

平成11年度

平成12年度

 備   考

薬 剤 師

   17

   24

   16

   8

 

看護婦(士)

   0

   4

   0

   0

 

診療放射線技師

   0

   0

   0

   0

 

臨床検査技師

   26

   17

   30

   20

 

臨床工学技師

   0

   0

   0

   0

 

理学療法士

   14

   9

   23

   25

 

視能訓練士

   12

   11

   7

   6

 

歯科衛生士

   32

   32

   36

   36

 

栄 養 士

   0

   2

   2

   0

 

合   計

  101

   99

  114

   95

 

※人数は延人数である。

(4)病院研修生の受け入れ

○現状の点検

 1)地域の医療職を育成する研修施設として、薬剤師、看護婦(士)、診療放射線技師、臨床検査

  技師、臨床工学技師、理学療法士、視能訓練士、歯科衛生士の8職種を受け入れる計画を立て

  てきた。

 2)地域医療従事者(特に、コ・メディカル・スタッフ)からの申請に基づき、資料3に示すよ

  うに病院研修生(研修料は月額4,078円)として受け入れている。

 3)理学療法士、視能訓練士、歯科衛生士の3職種では平成9年度以降から引き続き、また臨床

  放射線技師では平成10年度以降から、いずれも受け入れ実績がない。

 4)薬剤師、看護婦(士)、臨床検査技師、臨床工学技師では、年度毎に受入数の変動はあるが、

  過去の実績と大幅な変化は見られない。

○現状の評価

 1)平成12年度の看護婦(士)受入数が他職種よりも相対的に増加しているのは,治験コーディ

  ネーターとしての研修を受ける看護婦(士)数が多くなっていることによる。

 2)臨床放射線技師の受入実績は過去のそれと比べて変化がない。此の原因は臨床放射線技師の

  不足も加わっており、研修を登録することなく実際の業務に従事する数が多いことも一因と考

  えられる。

 3)受入実績が見られなかった理学療法士、視能訓練士、歯科衛生士の3職種では、需要に乏し

  い環境が主因と考えられる。

○将来の改善改革に向けた方策

 1)大学病院の役割として,21世紀医学医療懇談会等で医療人の生涯学習の機会と内容の充実が

  求められており,引き続き地域の医療機関と連携を図るとともに、受入に向けた積極的な対応

  を行っていく必要がある。

資料3 病院研修生の受け入れ状況

内     訳

平成9年度

平成10年度

平成11年度

平成12年度

備    考

薬 剤 師

   17

   20

   18

   27

 

看護婦(士)

   18

   7

   3

   23

 

診療放射線技師

   1

   0

   0

   0

 

臨床検査技師

   0

   3

   3

   5

 

臨床工学技師

   1

   2

   4

   0

 

理学療法士

   0

   0

   0

   0

 

視能訓練士

   0

   0

   0

   0

 

歯科衛生士

   0

   0

   0

   0

 

合   計

   37

   32

   28

   55

 

※人数は延人数である。

2.研究関係

(1)各講座等における活動

  自己点検・評価2001年(研究)の「四 社会的貢献」を参照。 

3.医療関係

(1)各診療科、中央診療施設、特殊診療施設等における活動

  自己点検・評価2001年(医療)の「U 診療活動」「1.各診療科の現状と評価及び今後の課

 題と改善策」を参照。 

(2)県内医療機関への派遣

○現状の点検

 1)平成12年度の調査によると、市中病院数に増減はほとんど見られないが、診療所数は平成8

  年度に比べ2割強の増加が見られる。

 2)本学からの派遣医師数は平成8年度に比べ増加傾向がみられる。平成12年度における市中病

  院への派遣数は7割強、市中診療所へは3倍強と著しく増加している。

 3)県内医療機関は総じて医師不足の状況が依然として解消されておらず、この傾向は市街圏を

  離れると一層深刻である。

資料4 県内医療機関への派遣状況

 

    平成8年調査

   平成12年7月調査

 病  院

  診療所

 病  院

  診療所

医療機関総数

   162

   770

   164

   936

派遣医療機関数

   73

   23

   126

   75

派遣割合 (%)

   45

    3

   77

    8

注1)本学出身者:本学卒業者及び他大学卒業者で本学講座等の入局者をいう。

注2)病   院:患者の収容能力が20人以上の医療機関

注3)診 療 所:患者の収容能力が19人以下の医療機関

○現状の評価

 1)診療所開設数に大幅な増加がみられるため、派遣医師数も増えている。しかし、派遣医師数

  の増加率は診療所開設数のそれより有意に高い。医療施設に恵まれない市街圏外の医療を重視

  する本学の基本医療姿勢を反映した結果と考えられる。

○将来の改善改革に向けた方策

 1)市中病院への熟練医師派遣は研修医や若手医師の養成を考えると必須の課題で、如何に効率

  よく熟練医師の養成を計り、研修医や若手医師を早く独立した医師として活躍させうるかが重

  要である。

(3)医療機関開業

○現状の点検

 1)県内での医療機関開業状況(県内:25医療機関,県外:26医療機関)はほとんど変化が

  ない。

 2)県外への医療機関開業数は減少傾向にある。

○現状の評価

 1)県内医療機関の充足度をみると、市街圏では飽和状態に近い。しかし、市街圏外地域での充

  足度はむしろ不足している。

○将来の改善改革に向けた方策

 1)今後は市街圏外地域の充足度を増すように改善する必要がある。

(4)へき地巡回診療活動

○現状の点検

  大分県は医療機関の利用が困難な地区の住民を対象に診療科を特定し,県立病院・大分医科大

 学の医師による巡回診療を各地区年1回実施している。大分県からの協力依頼に基づき大分医科

 大学では眼科と耳鼻咽喉科の医師が参加している。

[へき地巡回診療事業実績]

 平成9年度

  国見町保健福祉センター    耳鼻咽喉科

  姫島村保健センター      眼科 耳鼻咽喉科

  蒲江町健康管理センター    眼科

  上津江村保健センター     眼科 耳鼻咽喉科

  前津江村健康管理センター   眼科

 平成10年度

  国見町保健福祉センター    耳鼻咽喉科

  姫島村保健センター      眼科 耳鼻咽喉科

  上津江村保健センター     眼科 耳鼻咽喉科

  前津江村健康管理センター   眼科 耳鼻咽喉科

 平成11年度

  姫島村保健センター      眼科 耳鼻咽喉科

  国見町来浦活性化センター   眼科 耳鼻咽喉科

  大野町農村婦人の家      眼科 耳鼻咽喉科

  宇目町保健センター      眼科 耳鼻咽喉科

  上津江村保健センター     眼科 耳鼻咽喉科

 平成12年度

  姫島村保健センター      眼科 耳鼻咽喉科

  国見町保健センター      眼科 耳鼻咽喉科

  宇目町保健センター      眼科 耳鼻咽喉科

  前津江村保健介護支援センター 眼科 耳鼻咽喉科

  上津江村保健センター     眼科 耳鼻咽喉科

○現状の評価

 1)県医療機関と十分に討議し、地域の要請を十二分に受け入れてきた。

 2)県の関係機関からも高い評価を受けている。

○将来の改善改革に向けた方策

 1)現時点では改善改革の要望はない。

4.その他

(1)施設開放

○現状の点検

 1)学内の施設開放は学則に従って実施している。使用件数はプール、野球場、運動場を合わせ

  ても年に3〜4件と少ない。

 2)学内の講堂や講義棟の開放も併せて実施しているが、セミナーなどに利用されている。

資料5 施設開放の実績

 年 度

件数

 金 額

     備        考

平成 9 年

 4

 81,930円

プール、野球場、臨床大講義室

平成10年

  3

108,527円

プール、運動場、臨床大講義室

平成11年

  3

109,777円  

プール、臨床大講義室、

平成12年

  3

113,773円

プール、臨床大講義室、看護棟

○現状の評価

 1)利用件数はほとんど変化がない。

 2)本学が市街地から遠隔地にあること、市内には便利な公共施設が多くあり、これらの要因が

  重なって利用件数は今後も増えることは期待できない。

○将来の改善改革に向けた方策

 1)地域住民を対象にした平易で役立つ学術講演などの企画を今後も積極的に行う必要がある。

 2)生活習慣病の増加が県内でもみられるので、運動療法の実践を兼ねた住民教育を企画するこ

  とを計画している。

(2)大学情報の提供等

 1)大学進学説明会

○現状の点検(現状並びに問題点その検討状況)

 a.本学が行う進学説明会は、毎年高校3年生及び学校関係者を対象に7月下旬頃学内に招いて、

  医学科及び看護学科の教官やそれぞれの学科の在学生代表に教育方針や大学に入学して体験し

  たことなどを話してもらい、質疑応答を行ったり、施設見学を行ったりして本学への理解並び

  に関心を高めさせ、進学決定の一助としてもらっている。

 b.九州管内の15国立大学で地区ごとに当番校(大分地区は大分大学)が会場を世話し、その

  会場へ直接担当者を派遣して参加するか、あるいは、資料による参加を行っている。派遣され

  た担当者は、入学試験のみならずある程度の学生課の所掌事項(育英奨学金、授業料減免、下

  宿やアルバイトの斡旋状況、教育課程、臨床実習等)や大学の概要について高校生等からの質

  問に対応できるように事前準備をして、説明会に臨んでいる。

○現状の評価(目的目標の達成度または長所と問題点)

 a.高校3年生に加え、高校1年生や2年生での参加を希望する者もおり受け入れている。広報

  活動が行き渡って大学説明会は定着してきた感がある。

 b.入試関係のスタッフが少ないこともあって、九州各県くまなく説明会には出かけられない。

  それでも毎年3箇所に絞り込んで出かけ、広報活動を行っているのが現状である。

○将来の改善改革に向けた方策

  大学進学説明会を開催してから5年を経過したので企画を見直し、今後は、公開授業や実験実

 習を体験させるなど事業内容の充実を図りたい。

 2)大分国立学校広報センター

○現状の点検

 a.大分国立学校広報センター運営を平成12年7月から以下の概要で実施している。

 b.大分大学,大分工業高等専門学校及び大分医科大学のサテライトとして,「大分国立学校広報

  センター(通称:REプラザ)」をJR大分駅前に設置することを決定し,地域住民等に最新の

  教育研究診療情報の提供等を行うため,6月に契約(引渡し),7月3日に開設した。

 c.当初の開所時間は,土・日・祝祭日及び年末年始を除いた10時から19時までであったが,

  利用拡大を図るため平成13年1月から土曜日を開所して月・日・祝祭日及び年末年始を除い

  た10時から19時までの開所に変更した。

 d.事務職員(3機関の事務職員の交代制)1名,非常勤職員1名,ボランティア(3機関のO

  B)で対応している。

 e.資料は,教育研究活動,入学試験,公開講座,医療関係等の各情報を提供するとともにイン

  ターネット環境も整備している。

 資料6 大分国立学校広報センター利用状況

 年 月

 保 護 者

 会 社 員

 高 校 生

 大 学 生

 そ の 他

   計

 平成12年7月

     8月

     9月

     10月

     11月

     12月

 平成13年1月

     2月

     3月

     4月

     5月

     6月

 18(14)

 13( 6)

 13( 9)

 18(10)

 27(17)

 38(25)

 32(22)

 12( 8)

 10( 9)

 12( 8)

  3( 1)

  4( 4)

 28(23)

 29(18)

 26(26)

 20(17)

 35(26)

 18(13)

 22(14)

 49(42)

 49(46)

 24(19)

 32(31)

 38(34)

  7( 6)

 26(23)

 13(13)

 26(24)

 37(37)

 31(31)

 30(28)

 38(36)

 27(20)

 89(65)

 11(11)

 13(13)

  2(1)

  1(1)

  4(4)

  5(5)

  1(0)

  1(1)

  2(2)

  1(1)

  2(1)

  0(0)

  3(3)

  3(2)

  8( 7)

  9( 5)

 10( 7)

 16(12)

 10( 9)

 13( 6)

 14( 7)

 11(10)

  4( 4)

 16(14)

  8( 5)

 10(10)

  63( 51)

  78( 53)

  66( 59)

  85( 68)

  110( 89)

  101( 76)

  100( 73)

  111( 97)

  92( 80)

  141(106)

  57( 51)

  68( 63)

    計

200(133)

370(309)

348(307)

 25(21)

 129(96)

 1,072(866)

※( )は,午後の利用者で内数

○現状の評価

  始まって1年未満なので確定的な情報はないが、当初の期待ほどには利用数が伸びていない。

○将来の改善改革に向けた方策

  利用者の利便性を考慮すれば、現在の土曜日開館だけでなく、日曜日あるいは祝日の開館も必

 要となってくる。