2.財 政
○現 状
(1)本学の財政的基盤
1)国立学校特別会計歳出予算(学校経費決算額) (資料1)
2)奨学寄附金 (資料2)
3)共同研究費 (資料3)
4)受託研究費 (資料4)
5)科学研究費補助金 (資料5)
6)各種研究助成金(民間財団等からの研究助成決定状況) (資料6)
等があり,2)〜6)については各研究者の研究費として,また,1)については,教授会の議
を経て決定された学内歳出予算配分方針に基づき,光熱水料等に充てる共通管理予算(大学附属
病院を含む全体の必要経費)及び講座等必要予算に配分する。
学内歳出予算配分方針の概要は以下のとおりである。なお,事項が指定された予算については,
その目的に従い配分する。
(2)学内歳出予算配分方針
平成12年度から,文部科学省の予算積算方法が,時代の変化に柔軟に対応し得る教育研究組
織の再編成等を促進するため,講座・学科目等や実験・非実験,理科・医科教育などの組織等に
細分された区分を廃止して,教官数及び学生数の積算単価を統一し,従来の教官当積算校費,学
生当積算校費が教育研究基盤校費となり,内訳として教官数積算分,学生数積算分((項)大学附
属病院は非常勤医師数積算分)及び大学分等((項)大学附属病院は病院分)となった。この予算
積算方法の改善は次のことを目的としている。
1)学問分野の進展,教育研究手法の変化等への対応
2)各大学の自律性の向上
3)各大学における競争的環境の創出
4)教官の流動性,組織編成柔軟化の促進など
本学においてもこの改善趣旨に沿った学内歳出予算配分を実施するため,平成12年6月に予算
配分協議会を設置して,予算配分方法の検討を重ね平成13年度学内歳出予算配分から実施した。
新たな学内歳出予算配分方法は次のとおりである。
a.(項)国立学校
イ.教育研究基盤校費(教官数積算分,学生数積算分)は,平成11年度文部省配分単価を
ベースに積算し,平成13年度文部科学省配分単価との不足額については大学分等から充
当し,50%を共通管理費に50%を講座等に配分する。
なお,講座等への配分額のうち20%を傾斜配分とし,次の評価基準により評価して配分
する。
@研究業績評価基準
・論文に関する事項 ・科学研究補助金,他省庁からの研究費獲得状況
・国内全国学会,研究会等への関与 ・国際学会,会議等への関与
・学会等の主催 ・専門誌編集委員としての関与 ・受賞関係
・研究業績に関する評価
以上の調査項目
A教育業績評価基準
・教育者としての研修,指導 ・入学者選抜 ・授業への取組 ・卒前教育
・大学院を含む卒後教育 ・その他の社会的教育活動 ・教育業績に関する評価
以上の調査項目
B大学運営評価基準
・各種委員会等での活動状況 ・国際協力の積極性 ・地域社会に対する貢献度
・自己点検評価への貢献度 ・大学運営に関する貢献度
以上の調査項目
ロ.教官研究旅費(教官数積算分)は,平成11年度文部省配分単価をベースに積算して,
平成13年度文部科学省配分単価との不足額は大学分等(地域別加算分)から充当し,20%
を共通管理費に80%を講座等へ配分する。
b.(項)大学附属病院
イ.教育研究基盤校費(教官数積算分,非常勤医師数積算分)は,平成11年度文部省配分
単価をベースに積算して,平成13年度文部科学省配分単価との不足額については病院分
から充当し,50%を共通管理費に50%を診療科等に配分する。
なお,診療科等への配分額のうち20%を傾斜配分とし,次の評価基準により評価して配
分する。
@研究業績評価基準
調査項目については,(項)国立学校と同様で省略
A教育業績評価基準
調査項目については,(項)国立学校と同様で省略
B病院運営評価基準
調査項目については,(項)国立学校と同様で省略
C医療関連評価基準
・医療事故防止への貢献度 ・診療効果率 ・患者サービスの推進
・地域医療施設への貢献 ・臨床治験の推進度 ・高度先進医療の申請及び実施状況
・卒後臨床研修の実施状況 ・医療に関する貢献度
以上の調査項目
ロ.教官研究旅費(教官数積算分)は,平成11年度文部省配分単価をベースに積算して,
平成13年度文部科学省配分単価との不足額は病院分から充当し,20%を共通管理費に
80%を診療科等へ配分する。
○現在までの改善見直し
(1)歳出面
国の厳しい財政事情にかんがみ,歳出予算の一層適切かつ効率的な執行を図るために次の改善
見直しを実施し節減を図った。
1)研究棟エアコンを省エネルギー型への漸次切り替え(平成10年度〜平成14年度)
2)学内周知文書電子メール化の推進(平成11年度)
3)電気事業の部分自由化に伴い電気供給契約を産業用電力Aから産業用季時別電力Bに変更(平
成12年度)
4)昼休み時間(12:00〜13:00)の事務局,研究棟に省エネルギーについての放送等
を行い省エネルギーの啓蒙活動(平成12年度)
5)各病棟(2階北病棟を除く)に注射薬患者別セット渡しの開始(平成12年度)
(2)歳入面
平成11年10月に策定した,病院改革5ケ年計画書の病院経営改善行動計画に沿って,平均
在院日数の短縮,病床稼働率93%の維持,NICU病床の導入,査定率の改善,請求漏れ防止
対策,患者紹介率50%以上などの改善目標を掲げ附属病院収入確保に努め,次の改善見直しを
実施し歳入の増加を図った。
1)病床の効率的利用を計るための診療科割当病床の再配分(平成10年度)
2)NICU病床設置(平成12年度)
3)平均在院日数29日以上を28日以内に短縮し入院基本料1群へ変更(平成13年度)
4)2.5対1看護体制を2対1看護体制に変更(平成13年度)
5)非常勤放射線技師1名増員に伴うMRI等検査枠の拡大(平成13年度)
○今後へ向けての検討課題
国の厳しい財政状況の下,国立学校特別会計予算の伸びが期待できない状況の中にあって,教
育研究の充実を図っていくためには徹底した歳出の節減合理化,効率化を図るとともに従来にも
増して積極的な科学研究費補助金をはじめとする外部資金(受託研究,共同研究,奨学寄附金等)
の受け入れが重要である。このため教官各々の意識改革が必要である。
附属病院収入については,「病院改革5ケ年計画」を着実に実施するとともに,外部の専門家を
活用して徹底経営分析を行い,歳入の増加に努める必要がある。