T 研究の目的及び目標

 平成10年、大学審議会による答申「21世紀の大学像と今後の改革方針について」において、各大学の教育、研究の活性化と質的充実を促進する方策として、大学評価の第三者機関の設置が提言され、平成12年、大学評価・学位授与機構が発足した。これを受け本学でも、研究活動をより適切に自己点検・評価すること、そして大学評価・学位授与機構による評価にも速やかに対応することを目的として、平成12年、本学における研究の目的と目標を以下のように設定した。

(医学部医学科)

研究目的

 社会の医学・医療に対する多様な要望に応えるため,生命現象の基礎的研究,並びに健康の維持・増進,疾病の治療,克服に寄与する独創的,先導的研究を推進するとともに,予防医学の重要性に鑑み,保健・衛生分野の研究を推進する。もって,これらの成果を地域並びに国際社会に還元し,保健・医療・福祉の向上に貢献する。

研究目標

 学際的,総合的な研究の推進を目指し,既存の組織にとらわれない研究体制を構築し,次に掲げる分野の研究を推進する。

(1)生体及び生体関連物質の分子構造と機能維持に関する研究

(2)遺伝子の発現と調節機構に関する研究

(3)感染分子病態と生体防御機構に関する研究

(4)循環器病の病態・制御・再生に関する研究

(5)脳機能と生体統御並びにその維持に関する研究

(6)精神・心理過程とその障害に関する研究

(7)悪性腫瘍の発生・診断・制御に関する研究

(8)薬物動態の解析と臨床薬効評価に関する研究

(9)各種疾患の疫学と地域及び国際保健,医療に関する研究

(医学部看護学科)

研究目的

 多様で複雑な国民のヘルスニーズに応え,人々が心身共に健康な生活を営めるよう,適切な看護を行うために,その基盤となる看護知識・技術や理論の検証と開発を推進する。また,実践科学としての立場より,人々とその生活に視点をあてた研究を促進し,専門的な看護実践に資することをねらいとする。もって,看護学の発展と地域住民の保健・医療・福祉の向上,ひいては国際社会へ貢献する。

研究目標

 研究目的の達成を目指し,主として次に掲げる研究を推進する。

(1)看護ケアを必要とする個人とその家族及び集団に関する研究

(2)ヘルスアセスメント基盤となる身体の構造や機能及び病態に関する研究

(3)医療者−患者関係に関する研究

(4)看護技術の科学的検証に関する研究

(5)看護の専門的介入・生活支援に関する研究

(6)看護教育理論と方法に関する研究

(7)看護倫理に関する研究

1.現状の点検と評価

 研究目的と目標は、平成12年度に設定されたものであり、未だその問題点や達成度を評価するに至っていない。しかし、目標の設定には、現在、本学で行われている研究活動状況を詳細に調査、検討し、具体的且つ実現可能なものに絞り込んで設定した。

2.将来の改善・改革に向けた方策

 研究目的と目標を実現するには、目標の冒頭にも記してあるように、従来の講座の枠に縛られない大きな研究単位(大講座)を新しく構築することが必須であり、現在、将来計画委員会において、一般教育等の学科目も含め、今後の大学の生き残りをかけた特徴ある講座の再編成を鋭意,検討中である。