挨拶

大分大学医学部長
  • 大分大学医学部長 山岡 𠮷生
  • Yamaoka Yoshio

大分大学医学部の前身である大分医科大学は、昭和53年4月に第一期生を受け入れました。その後、平成6年には看護学科を設置、今までに延べ約5000名の医学士、看護学士を輩出してきました。また、平成15年10月には旧大分大学と統合して、大分大学医学部となりました。

大分は、我が国における西洋医学の出発点です。豊後の戦国大名であった大友宗麟の庇護のもと、1557年ポルトガルの宣教師で医師でもあったルイス・デ・アルメイダが、府内(現在の大分市)に日本で最初の洋式病院を建て、日本初の西洋式外科手術を実施しました。さらに医学校も併設し、西洋医学教育が行われました。

このような医学の歴史に深いゆかりのある大分の地に設立された大分大学医学部の使命は、「患者本位の最良の医療」を基本理念とし、地元自治体との社会連携や地域貢献を大切にしながら、先端医療や研究においては世界水準を目指すことで、「地域に根差し、世界を目指す」ことをモットーとしています。

医学教育においては、国際水準を満たす医学教育、すなわち臨床実習を強化し、卒前卒後教育をシームレスに連動させていく学修成果基盤型教育への改革などに取り組んでいます。国際社会の福祉に寄与することを基本理念に掲げており、医学科・看護学科の学生をフィリピンのサン・ラザロ病院に派遣し、熱帯地域の感染症の診断治療、看護について実地に学ぶ機会を設けています。その他、米国やタイなどにも学生を派遣して、現地医療スタッフと実際の臨床の場で接し、現地の社会・衛生状況などに直に触れる機会を与えています。このような経験をした学生は、将来国際的な医療人として活躍する思いを一層強くしています。また、看護学科では,九州で初めて取り入れた看護師教育と保健師教育を区別しない統合カリキュラムをさらにブラッシュアップし、看護学を基盤に看護実践を展開できる保健師および看護師の育成を目指しています。

大分大学医学部では、学生が希望する多様な医師・看護師のキャリアパスに対応します。医学科では、地域医療を担う医師のみならず、本学にて世界最先端医療を実践する臨床医、さらに国際的な視野に立つ研究医などとして活躍できるキャリアパスにも対応します。看護学科では、大分大学医学部附属病院看護職キャリア開発支援センターでの活動を通じ、附属病院の看護職員のキャリア教育や研究活動支援、県内の他施設の看護職の継続教育に取り組んでいます。

大学院教育では、臨床研修期間中の大学院進学コース制度を令和2年度から開始することにしています。さらに、海外からの留学生の受け入れを推進させ、インドネシアのアイルランガ大学とは、令和2年度にはダブルディグリー制度を取り入れます。海外との交流を図ることで、本学の国際的な評価と知名度を向上させ、教育の幅を広げるとともに国際学術研究の強化につなげたいと考えています。そのため、大学院での英語による授業も推進させています。

研究面では、本学の強みと特色を踏まえた戦略的な研究や地域貢献につながる研究を推し進めています。特に、大分大学医学部の特徴といえるのが、国際共同研究が充実していることです。消化器内視鏡・低侵襲医療領域の人材育成では、本学が中心となって構成した国内約30の国公私立大学による「アジア内視鏡人材育成支援大学コンソーシアム」を通した国際支援に取り組み、ASEAN諸国、ロシア、サウジアラビアなどで人材育成を行っています(厚生労働省 日露医療協力推進事業や「日・サウジ・ビジョン2030」国際経済協力プログラムでもロシア、サウジアラビアの支援を行っています)。感染症分野の研究も充実しており、ピロリ菌研究や狂犬病研究では、世界最高峰の研究を行っています。ブータンにおけるピロリ菌除菌による胃癌撲滅活動などがその一環で、アフリカ諸国におけるピロリ菌研究も進めています。また、ベトナムやネパールにおける口唇口蓋裂手術の無償治療などの国際貢献も行っています。その他、グローバル創薬、認知症研究、低侵襲性心臓手術などでも多くの成果をあげています。

我々は、常に、地域に根差し、世界を目指す大学として、高い使命感を持つ学生諸君を歓迎し、最高の教育を授けたいと思います。