香港・広東省への渡航自粛勧告 − SARSで政府

政府は3日午後、悪性肺炎「重症呼吸器症候群」(SARS)が中国・広東省、香港を
中心に広がっている問題で、香港と中国広東省への渡航自粛を勧告するなど、政府
としての当面の対策を決定した。福田官房長官が記者会見で発表した。

対策は<1>「香港と中国広東省への渡航の是非を検討して下さい(不要不急の旅
行の延期を勧める)」とする自粛勧告を出す<2>香港、広州両空港からの到着機内
で問診票の配布を行うなど、空港の検疫体制を強化する<3>SARSを感染症法上
の新感染症として取り扱う――の3項目。

海外へ渡航する日本人に危険状況を伝える外務省の渡航情報には4段階あるが、
今回は、危険度では第2段階の「渡航の是非を検討」するよう求めるのとあわせて、
「不要不急の旅行の自粛」も要請し、危険度を強めた。 

検疫体制の強化では、国際便の乗り入れる空港で検疫官のいなかった3空港に
新たに検疫官を配置するなど、地方空港の体制強化を図る。 

また、感染症法上の新感染症に指定することで、強制入院などの法的措置も可能と
なる。1999年の同法施行以来、新感染症の指定は初めて。

 (2003/4/3/17:23 読売新聞)