香港便がら空き、マスク売れ切れ・・・週末の成田空港

中国・広東省と香港を中心にした新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)
の感染拡大の影響で、香港に向かう観光ツアーなどのキャンセルが相次ぎ、成
田空港を出発する5日の香港便は、普段の週末に比べて旅客が大幅に減少した。

このうち、午前9時45分発の日本航空731便(ボーイング747―400型)の乗客
は、定員(395人)の1割にも満たない35人。他社の便も終日、空席が目立った。

日航はすでに、成田発の香港便を1日4便から3便に減らしているが、春休みの週
末という“稼ぎ時”で、しかも人気の香港便だけに、打撃は深刻。「この状態が続け
ば、さらに減便になるかも」と頭を抱える。

また、成田空港内の売店ではマスクが飛ぶように売れ、在庫不足に。「ふだんの6
倍の1日約60個が売れており、追加発注で対応している」と、第2旅客ビルの売店
店員。フィルター付きの花粉症用マスクに人気が集まっているという。

一方、厚生労働省成田空港検疫所は4日から、SARSの日本上陸を阻止するため、
香港などから帰国した旅客を対象に、発熱や呼吸困難の症状がなかったかなど、
健康状態を問う「質問票」を配布。検疫ブースで待つ係官は、マスクをして旅客から
質問票を次々と受け取っていた。

2003/4/5/20:31 読売新聞