新型肺炎、成田経由の女性がフィリピンで初の死亡

【マニラ=源一秀】フィリピン保健省は21日、就労先のカナダから成田空港を
経由してこのほど帰国したフィリピン人女性(46)が、新型肺炎(重症急性呼
吸器症候群=SARS)と見られる肺炎で14日に死亡したことを明らかにした。
SARSと確認されれば、フィリピンでは初めての死亡ケースとなる。

この女性はトロントの老人養護施設で介護要員として働いていたが、今月3日、
カナダ航空機でトロントをたち、4日、成田空港で日本航空機に乗り換え、
マニラに到着した。帰国当初からせきの症状があり、その後、発熱して症状が
一気に悪化、収容先のマニラの病院で死亡した。

同保健省は、このフィリピン人女性の血液を日本の医療機関に送り、SARS感染
の有無について確認を急いでいるが、日本政府筋とマニラの空港関係者によると、
機内感染は報告されていないという。

(2003/4/21/20:14 読売新聞WEB版)