新型肺炎、中国では全土に感染拡大か

【北京=竹腰雅彦】中国衛生省は21日深夜、中国本土の新型肺炎
(重症急性呼吸器症候群=SARS)感染者の最新統計を発表し、
これまで感染者が報告されていなかった吉林省、遼寧省など中国
東北部、甘粛省や陝西省など西部地域にも感染者がいることが
初めて確認された。

感染は全土に拡大している可能性がある。

世界保健機関(WHO)専門家チームは22日、上海の医療機関など
で感染実態の調査を開始した。上海ではこれまでに感染者2人、
感染疑い例も8人だが、北京ではWHO調査で当局の「患者隠し」が
発覚、感染者数が大幅に上方修正された経緯があり、調査結果が
注目される。また、WHOが19日にSARSの流行地域に指定した
内モンゴル自治区は19―21日に新たに3人の死者が出た。
区都フフホトでは全小中学校を5月20日まで休校にする措置を取った。

中国本土のSARS感染者は21日現在で2001人、死者は92人。

(2003/4/22/13:22 読売新聞WEB版)