外務省、中国全土に渡航「十分注意」の危険情報

外務省は29日、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)感
染が拡大している中国について、すでに「不要不急の渡航延期勧告」
を出している北京市などをのぞく中国全土に対し、渡航を「十分注
意」するよう呼びかける危険情報を出した。

4段階ある危険情報の中で「十分注意」は最も低いレベル。中国で
はすでに北京市のほか広東、山西両省に2番目に低いレベルの「渡
航の是非検討(不要不急の渡航延期勧告)」、内モンゴル自治区に
「十分注意」を呼び掛けているが、これらは継続する。

中国全土に「十分注意」の危険情報を出した理由については「中国
当局が感染者の多い北京市から外地への移動を自粛するよう求める
措置は取っているものの、現実には5月1日からの連休を控え、か
なりの人口が国内移動し、感染が急速に拡大する恐れが強まってい
る」としている。

一方、SARS封じ込めに成功したと宣言したベトナムのハノイに
対しては、すでに出していた「十分注意」を解除した。世界保健機
関(WHO)が29日にハノイをSARSの「感染地域」から取り
下げたことを踏まえた措置。

(2003/4/29/19:56 読売新聞WEB版)