米FRB議長、新型肺炎・デフレを懸念

【ワシントン=天野真志】米連邦準備制度理事会(FRB)のアラ
ン・グリーンスパン議長は30日、下院金融サービス委員会で証言
し、イラク戦争が終結してもアメリカ経済には、新型肺炎(重症急
性呼吸器症候群=SARS)や物価下落といった懸念材料があると
の認識を示した。

SARSについては「まだ、アメリカ経済に大きな影響は現れてい
ないが、(アジア地域の)生産活動が深刻な打撃を受ければ、アメ
リカ経済にも悪影響が及ぶ懸念がある」と語った。また、アメリカ
の物価が下落傾向にあることに対しては「(インフレが収束し、物
価が低下する現象である)ディスインフレの拡大は歓迎されない展
開だ」と述べ、将来、デフレ懸念が台頭しかねない状況に強い警戒
感をにじませた。

一方、日本経済については「かなり深刻な難しい状況が、長期間に
わたって続いている」と指摘、早期の景気回復が必要との認識を改
めて強調した。

(2003/5/1/13:34 読売新聞WEB版)