新型肺炎は4種類の変異ウイルス…香港の大学チーム

ロイター通信などによると、香港中文大の研究チームは2日、香港の
新型肺炎(SARS)の患者を調べた結果、遺伝情報の異なるSAR
Sウイルスが4種類見つかったと発表した。

SARSウイルスの突然変異のスピードが速く、今後、診断法や治療
薬の開発がより困難になる可能性があるとして、警戒を強めている。

研究チームは、感染者が大量に発生したプリンス・オブ・ウェールズ
病院などの患者11人からSARSウイルスを取り出して詳しく調べ
た。その結果、遺伝情報を担う物質(RNA=リボ核酸)に構造の違
いが見つかったという。また、解析結果から複数の感染源が疑われる。

SARSウイルスは、「コロナウイルス」の新種だが、コロナウイル
スは変異しやすいことが知られている。

そのため、世界保健機関(WHO)は「SARSウイルスが変異を起
こしているとしても驚くべきことではない」としている。ただ、「変
異ウイルスが、SARSの病状にどう影響しているかは分からない」
ともしている。

(2003/5/4/10:21 読売新聞WEB版)