新型肺炎:対策「可能性例」の段階で渡航地など公表 厚労省

厚生労働省は都道府県から新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」
(SARS)の「可能性例」が出たと通報があった場合、患者
の人権に配慮しつつ、通報自治体名や渡航地域などの情報を公
表することを決めた。6日、都内で開いたSARS対策全国衛
生主管部局長会議で都道府県側に通知した。

ほかに公表する情報は患者の年代、性別、国籍、病状、接触者
の状況など。その患者がSARSと断定された場合は年齢、渡
航期間なども公表する。

同省はこれまで、都道府県から報告された可能性例の数のみ公
表していたが、2日に可能性例の段階で感染症法に基づく行政
手続きを取ることを決めたことから、不必要な不信・不安を招
かないために一定の情報を公表することを決めた。

可能性例はSARS発生地への渡航歴があり、帰国後10日以
内にせきなどの呼吸器症状が見られ、レントゲンで肺炎などの
所見がある人。これまでに16例が報告されているが、いずれ
もSARSであることは否定されており、同省はこの16例に
ついては情報を公表しないとしている。【須山勉】

[毎日新聞5月6日] ( 2003-05-06-12:27 )