新型肺炎、日本の成長率0・12%押し下げ

第一生命経済研究所は9日、「新型肺炎(重症急性呼吸器症
候群)=SARS」の流行が、アジア地域の経済に与える影
響について試算をまとめた。

中国で新型肺炎の流行が今年末まで続いた場合、観光収入の
減少や個人消費の低迷により、2003年の中国の経済成長
率は1・70%低下し、韓国やシンガポールなど中国を含む
アジア東部の9か国(地域)の合計で1・27%成長率が押
し下げられるとしている。日本からの輸出も1・04%減少
するため、日本の経済成長率も0・12%押し下げられると
している。

同研究所では、香港やシンガポールでは感染の拡大に歯止め
がかかる可能性があるが、中国については収束時期が不透明
と見ている。

SARSが6月までに収束する場合は、アジア9か国(地域)
の経済成長率の低下は0・51%にとどまり、日本への影響
はほとんどないとしている。

(2003/5/9/20:31 読売新聞WEB版)