新型肺炎、ホテルのトイレから感染拡大…香港紙

【香港=関泰晴】10日付の中国系香港紙「文匯報」は、香港に
おける新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の初期の感
染ルートは九竜地区のメトロポールホテルのトイレだったと報じ
た。香港大の研究で判明したという。

これによると、SARSに感染して中国広東省広州市から来た大
学教授が、同ホテルに宿泊し、排せつ物に含まれるウイルスが部
屋のトイレに残留。従業員が各部屋のトイレを清掃しているうち
にウイルスが拡散して、シンガポールとカナダの宿泊客が感染し
たと見られる。

さらに、同ホテルで感染した26歳の香港の男性が、プリンスオ
ブウェールズ病院に入院して院内感染を広げた。また、同病院で
人工透析を受けた男性が院内感染して、九竜地区のマンション街
「アモイガーデン」に泊まり、集団感染につながった。

(2003/5/10/20:02 読売新聞WEB版)