台湾医師ショック、立ち寄り先は「安全」と厚労省

厚生労働省は20日、新型肺炎(SARS)の2次感染を警
戒して旅行のキャンセルが相次いでいることなどに対し、
「台湾人医師が立ち寄った施設にこれから行く人が感染する
ことはありえない」と、安全性を改めて強調した。

根拠として、体外でのSARSコロナウイルスの生存期間は、
最長で4日間程度で、医師が各施設に立ち寄ってから少なく
とも一週間経過していることや、旅行期間中、この医師と同
室だった台湾人も発症していないことを挙げている。

また同省は、台湾人医師ら一行が宿泊したホテルを、別の日
に修学旅行で宿泊した学校が学年閉鎖の対応をとったとの情
報を入手。過剰な反応だとして、文部科学省を通じて適切な
対応を求めた。

◆台湾医師との接触、2478人の調査終了◆

厚労省は20日、新型肺炎感染が確認された台湾人医師(2
6)の接触者調査の状況を発表した。それによると、同日午
後5時現在、調査対象者2634人のうち2478人の調査
を終えた。入院中のバス運転手のほか、9人が風邪などの軽
い症状を示しているが、新型肺炎の可能性は極めて低いという。

◆新たに「疑い例」1人◆

厚生労働省は20日、新たにSARSの「疑い例」患者1人
が報告されたと発表した。今回の接触者調査とは無関係で、
症状はほぼ回復し、感染のおそれは極めて低いとみられる。

(2003/05/20/23:42 読売新聞WEB版)