中国伝統の悪習「たん吐き」に罰金、9都市が導入

【香港=関泰晴】新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SAR
S)の影響で公衆衛生の改善が叫ばれ、中国各地で“中華伝
統の悪習”である「たん吐き」を禁じる動きが広まっている。
これまでの報道によると、SARSの流行を受けて条例を制
定・改正するなどして、「たん吐き」に罰金を徴収する都市
は、北京、上海、広州など、中国各地の9都市に達した。

新華社電などによると、1984年に罰金制度を導入した上
海市は、2002年に罰金50元(700円)だったのを、
SARSの流行を受けて今年4月に200元(2800円)
に上げた。当局の取り締まり強化により、先月25日―5月
5日の11日間で、罰金徴収総額は、5万5000元(77
万円)に達したという。

また、北京市で罰金が10倍の50元(700円)に上がっ
たほか、広東省広州市は新たに罰金50元(同)のうえ、た
んの掃除も義務づけた。

中国政府も、全国の中学生の「日常行為規範」の中に「たん
を吐かない」という一項目を盛り込み、若いうちに悪習が身
につかないように指導する方針を示している。

(2003/05/23/00:31 読売新聞WEB版)