ロシアが新型肺炎隠し?露有力紙が疑念提起

【モスクワ=古本朗】ロシア有力紙「独立新聞」は27日、
露政府が、自国内での新型肺炎(SARS)患者の出現を
世界保健機関(WHO)に隠しているのではないか――と
の疑念を提起した。

同紙によると、「WHOの代表者たちが、警戒のまなざし
を向けている」のは、露極東の対中国境沿いのブラゴベシ
チェンスクの病院に、今月初めから収容されているロシア
人男性をめぐる経緯だという。

この男性の検査は4日から3週間余も延々と続けられ、2
6日には、SARS対策責任者のゲンナジー・オニシチェ
ンコ第1保健次官が「私個人はとっくに、SARSだとの
結論に至っている」とインターファクス通信に明言する事
態に至りながら、露政府は27日時点でも病名を正式発表
していない。

同紙によると、露保健省はWHO側から、ロシアでのSA
RSの有無確認のためWHO専門家を派遣する用意がある、
との申し出を受けたにもかかわらず、「この申し出を検討
さえしていない」という。同紙は、露政府が男性の正式診
断を引き延ばし、SARS発症を隠しているのではないか
との見方を示唆している。

(2003/05/27/21:22 読売新聞WEB版)