新型肺炎・変異ウイルスに感染か…広州市の患者

読売新聞WEB版
2004/01/03/19:52

 【北京=浜本良一】3日の新華社電によると、中国広東省広州市で見つかった新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の疑い患者(32)について、同省衛生疾病対策センターの専門家らは2日夜、SARSの原因であるコロナウイルスの変異型に感染した可能性が強いとの見方を明らかにした。

 中国政府は近く結果を正式に発表する。

 同センターの陳秋霞博士によると、この患者から取り出されたウイルスの遺伝子検査で、昨年流行したSARSウイルスの遺伝子と99・4%から98・8%の同一性が認められるものの、わずかに異なっていることが分かった。

 陳博士は「今回の患者から見つかったコロナウイルスは新型であり、これまで発表されたことのない遺伝子の配列だ」と語った。

 世界保健機関(WHO)の専門家は本紙に対し、「昨年の大流行で患者から発見されたウイルスとは完全に一致しておらず、(ウイルスを)媒介した動物が異なっている可能性がある。この患者の血清検査や発症前後に接触した人の追跡調査も行われており、結果を待ちたい」と語った。

(2004/01/03/19:52 読売新聞)


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