SARS「鳥類と哺乳類のウイルス合体」 加研究チーム

朝日新聞WEB版
2003/12/16/12:03

 新型肺炎SARSのウイルスは、鳥類と哺乳(ほにゅう)類のウイルスが合体してできた可能性が強いと、カナダ・トロント大のチームが専門誌に発表した。インフルエンザの新型ウイルスが生まれる仕組みとよく似ており、SARSの予防法や治療法の研究に役立ちそうだ。

 SARSを起こす新型コロナウイルスの遺伝情報(ゲノム)を、鳥類や哺乳類から取った各種コロナウイルスと比較。新型ウイルスのゲノムは、鳥類と哺乳類のウイルスが半分ずつ混ぜ合わさったようなパターンになっていた。

 ウイルスが感染対象の細胞に入り込む時に欠かせない遺伝子も、鳥類と哺乳類のものが合体したような形だった。このため、人間の免疫系が新型ウイルスに効果的に対応できなかった可能性もあるという。

(2003/12/16 12:03)


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