臨床研究の情報公開

本院で上部消化管内視鏡検査を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ

当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、通常の診療で得られた過去の記録を用います。このような研究は厚生労働省の定めた「臨床研究の関する倫理指針」の規定により、研究内容の情報を公開することが必要とされております。この研究に関する問い合わせ等がありましたら、以下の「問い合わせ先」へご照会ください。

~萎縮性胃炎とくに萎縮境界に関するLinked Color Imaging (LCI)の有用性の検討に対する検査データ使用のお願い~

【研究課題名】

「萎縮性胃炎とくに萎縮境界に関するLinked Color Imaging (LCI)の有用性の検討 」

【研究の目的について】

Helicobacter pylori(ピロリ菌)の発見後、ピロリ菌によって起こされた胃炎は、胃癌の原因となることが明らかになり、とくに胃粘膜が薄くなる萎縮性胃炎は、その程度が胃癌の発生頻度に関係していることが報告されています。萎縮性胃炎は、現在の通常内視鏡画像でも評価することができますが、今回登場した新たな画像処理機能であるLinked Color Imaging (LCI)では、より明瞭に粘膜萎縮の範囲・領域(萎縮境界)を描出することが期待できます。LCIは、粘膜色に近い色の彩度差・色相差を拡張することで、粘膜のわずかな色の違いを強調することができます。今回私たちは、通常の内視鏡画像とLCIで得られた内視鏡画像の色を測定・数値化し、萎縮性胃炎が、より明瞭に評価できるかを客観的に検討することを目的としております。

【使用させていただく組織(試料)等について】

  本院におきまして、2015年2月1日から2016年3月31日に、当院で上部消化管内視鏡検査を受けられた(FUJIFILM社製のLASEREOシステムという装置を使用された)患者さんの検査結果を医学研究へ応用させていただきます。その際、診療情報(例えば年齢や性別、さらにピロリ菌の感染状態、除菌歴など)との関連性を調べるために、患者さんの診療記録を調べさせていただくこともあります。なお患者さんの診療記録の使用に関しては本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認されています。また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく研究資料の保存等について】

 研究資料の保存は5年間(平成28年11月1日から平成33年10月31日まで)を基本としており、研究終了後は、研究資料を個人情報が漏洩しないよう匿名化して破棄します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合は5年間を超えて保存させていただきます。

【患者さんの費用負担等について】

本研究を実施するに当たり、患者さんの費用負担はありません。また本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。

【研究資金】

 本研究においては、公的な資金である消化器内科学講座の寄付金を用いて研究を行います。患者さんの費用負担はありません。

【本研究に係る利益相反について】

 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。

【研究の参加等について】

本研究へ診療記録を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療記録を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療記録は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の研究責任者までお申し出下さい。

〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1丁目1番地
       大分大学医学部 消化器内科学講座 

水上 一弘 (みずかみ かずひろ)
               電話番号 097-586-6193