臨床研究の情報公開

本院で超音波エラストグラフィー検査を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ
~治療中の臨床データの医学研究への使用のお願い~

当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、通常の診療で得られた過去の記録を用います。このような研究は厚生労働省の定めた「臨床研究の関する倫理指針」の規定により、研究内容の情報を公開することが必要とされております。この研究に関する問い合わせ等がありましたら、以下の「問い合わせ先」へご照会ください。

【研究課題名】

「非侵襲的線維化進展度評価におけるRTE(Real-time Tissue Elastography)の有用性の検討 」

【研究の目的について】

肝疾患の治療において、肝線維化(肝臓の硬さ)の程度を評価することは非常に重要です。従来、肝臓の硬さを診断するためには、肝臓に直接針を刺して肝組織を採取し、顕微鏡でみる肝生検が行われていましたが、出血などの合併症や採取される組織は非常に少量であるため正確に診断ができないことがあるといった問題があります。こういった問題を解決するために、近年では、肝臓の硬さを超音波などを使って体を傷つけずに診断する方法が注目されています。そこで本研究で、肝生検を行う患者さんに肝生検と同時期に超音波エラストグラフィーを行って、肝生検の結果と超音波エラストグラフィーの結果がどれくらい合致しているかを調べ、超音波エラストグラフィーの診断能を明らかにすることを目的としています。

【使用させていただく組織(試料)等について】

 本院におきまして、既に肝生検とエラストグラフィー検査を受けられた患者さんの診療記録を医学研究へ応用させていただきます。なお、患者さんの診療記録(カルテ)を使用させていただきますことは本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認されています。また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく研究資料の保存等について】

 本研究では使用させていただいた診療記録につきましては、匿名化した状態で大分大学医学部消化器内科学講座の特定のコンピューターに本研究の論文発表後10年間保管されます。保存期間終了後は保管していたデータを適切な方法で消去します。

【患者さんの費用負担等について】

本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。

【研究資金】

 本研究においては、公的な資金である消化器内科学講座の寄付金を用いて研究を行います。患者さんの費用負担はありません。

【本研究に係る利益相反について】

 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。

【研究の参加等について】

本研究へ参加するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療記録を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療記録は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの診療記録を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の研究責任者までお申し出下さい。

〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1丁目1番地
       大分大学医学部附属病院医療安全管理部 

特任助教 遠藤 美月(えんどう みづき)
               電話番号 097-549-4411(代表)