大分大学医学部附属病院 感染制御部

                   ご 挨 拶            感染制御部長 平松 和史

                                   

 平成28年4月1日より門田淳一教授(現国立大学法人大分大学 理事・副学長)
に代わり、感染制御部長を拝命いたしました。

 本院の院内感染対策に対する体制は、昭和61年に感染予防対策委員会が発足し、
平成12年に特殊診療施設の一部門として感染制御部が設置されました。その後、
感染制御部の専従職員は増加し、現在は医師1名、看護師3名が専従職として院内
感染対策活動に従事しています。また、薬剤師や検査技師は専任職として、さら
に診療各科や院内の各部署から兼任職として院内感染対策活動にご協力いただき、病院全体が一丸と
なって感染制御活動に努めているところです。

 近年の感染症は、地球規模で対応すべき病原体が大きな問題となっています。2019年にはSARS-CoV-2
が世界中を混乱に陥れました。また2019年以前もエボラなどウイルス性出血熱やMERS、ジカ熱など海
外で流行した感染症が交通機関の発達などによって、各国に流入し、その対応が必要になることがたびた
び起こっています。さらに、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌や多剤耐性緑膿菌に加えて、近年では多剤耐
性アシネトバクターやカルバペネム耐性腸内細菌目細菌、さらにはバンコマイシン耐性腸球菌なども日本
を含めた世界全体で重要な問題となっています。2016年の伊勢志摩サミットにおける国際保健のための
伊勢志摩ビジョンのなかで、薬剤耐性対策の強化が取り上げられました。現在AMR対策アクションプラン
が公表され、国を挙げた薬剤耐性菌対策が推進されています。

 こうした情勢の変化のなかで、本院においてもさらに院内感染対策活動を充実していく必要がありま
す。院内においては、標準予防策の徹底、感染経路別予防策の実施など従来から実践されている院内感
染対策を職員一人一人がその意義を理解し、実施しやすい環境を整備していきたいと考えています。

 また、耐性菌対策の大きな柱である抗菌薬の適正使用についても、より充実した体制を構築し、その
適切な使用により耐性菌の増加を抑制していく必要があると考えています。さらに感染症の対策は、一
つの病院だけでの対応では不十分であることが明らかとなっています。そのため本院においても県内各
地の医療機関や行政と連携し、感染対策を進めています。また九州内や全国の大学病院などとも協力し、
さらに感染対策を推進しているところです。

 感染対策は感染制御を担当する部門だけでの対応では実践できません。皆様の感染制御に対するご理
解とご協力をお願いいたします。





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