大分大学医学部附属病院

医療安全管理部長挨拶

■挨拶




                     大分大学医学部附属病院医療安全管理部
                        部長     平松和史


 近年の医療の高度化や複雑化は、様々なエラーを引き起こしやすい医療環境を生み出しています。ヒトは誰しも過ちを犯します。日常生活では些細な過ちでも、医療現場において過ちがあると患者さんに重大な影響を及ぼすことがあります。 こうした過ちが起こりやすい場面を病院職員が共有し、そうした場面をできるだけ減らすことで、同じ間違いを引き起こさない仕組みを構築していくことが、医療安全管理部の重要な役割です。患者さんに大きな影響を与えた事例だけの情報共有ではなく、患者さんに影響を与えなかったものの、エラーが起こった事例を含めて、様々な事例を収集しています。こうした事例の原因を究明し、エラーが起こらない仕組みを対策として立案することが医療安全において重要です。こうした仕組みの根幹となるものがインシデントレポートであり、現在では医師、看護師、薬剤師など様々な職種からインシデントが報告され、その根本分析や対策の立案を行っています。医療安全管理部は医師や看護師だけでなく、薬剤部、放射線部、ME機器センター、医療情報部、事務部門など多職種の職員によって構成され、毎週報告されたインシデントの解析を行い、対策について検討を行っています。さらに立案された対策を病院職員へ周知し、同じ間違いが引き起こされていないかを評価し、一層の改善を進めることで医療安全におけるPDCAサイクルを実践しています。
 また本院では「患者参加による医療安全」を導入しています。診察の際には名前をはっきり伝えて頂き、受け取った薬はご自身でも薬の飲み方や注意事項をご確認下さい。ご自身の病状や検査・治療法について医師などから説明を受け、不明な点は質問し、十分理解したうえで、その検査や治療方針を決めるようにお願いいたします。医療は、医療者だけによってなされるものではありません。患者さんとの協働によってなされるものであり、よりよい医療を行っていく上でも患者さんの協力が不可欠であると考えています。
 医療事故調査制度においては大分県医師会と連携し、県内の各医療機関における医療事故調査への協力を行っています。こうした活動を通して、本院だけでなく大分県内の医療機関の医療安全の向上に向けた取り組みにも参画しています。  県内唯一の特定機能病院、医育機関として、高度で、質の高い医療を提供することを目的に医療安全管理部として活動していますが、こうした行動は病院の職員全体で取り組んでいくことが重要であり、病院全体での医療安全文化の醸成を図り、より充実させていきたいと考えています。

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