論文・著書等の研究業績では,発表件数の増加のみならず,発表論文の質の客観的指標である高IF5以上の雑誌への発表数は最近4年間に468編あり,質の向上が見られる。
学会での研究発表状況においても同様の結果である。
 研究成果による知的財産権の出願・取得状況では、とくに新医療器械の開発において、「手術中蛍光眼底造影装置の開発」及び「内視鏡下手術時の結紮補助具の開発」2件の特許を取得し、医療の向上の実現化に寄与した。
 外部資金の獲得状況では,各機関や民会財団からの補助金、助成金、または奨学寄附金の受入件数及び金額は増加傾向を示し、また、創薬育薬医学講座,及び臨床腫瘍医学講座の2寄附講座を受け入れ,開設した。
 論文業績等に対し,国内外の学会等より117件の学術賞を受賞した。
受託研究では,国,県,大学,研究所,法人,民間会社からの依頼に加え,治験も増加し,受託件数,受託金額はともに増加し,内容も充実した。
 産学共同研究の受入件数と受入額においても同様に増加している。
これらの学術賞等の受賞状況、産学共同研究及び受託研究の実施状況は、とくに最近4年間に急増している。
 組換えDNA実験及び動物実験の実施状況は,いずれも活発な研究が行われとともに,感染モニタリングの導入により、飼育動物の病原体感染がなくなり、研究成果の向上につながった。
 マスコミで取り上げられた研究事例の件数も平成13年から毎年確実に増加し、平成19年には3.5倍になっている。
 地域活動は国内外で活発に実施され,特にドミニカ共和国やアジア諸国に対する医療技術の支援や啓蒙活動,諸外国の大学や研究所との共同研究及び地域社会と連携・協力し,感染症予防や公衆衛生,社会医学などの疫学研究,対策事業,社会サービス事業を行った。
 よりよい新医薬品を早期に提供し、国民の健康・福祉の向上に寄与するために、迅速かつ高度な専門医療体制を備えた臨床試験システムの研究開発を行い、その成果として附属病院は厚生労働省が定める「治験中核病院」に選定された。
 また,国際シンポジウムの主催,国内外への研究者派遣及び諸外国からの研究者の受入を積極的に行い,研究の推進と研究員の交流を図った。
 これらの実績はいずれも優れており,予め想定された成果より,質・量ともに著しく上回っており,研究活動の実施状況という観点から見て,想定される関係者の期待を大きく上回ると判断する。特に、冒頭に記した大分大学の重点目標と関連する4つのプロジェクトを設定し、研究を推進したことが、実績向上につながったと思われる。
 ちなみに、想定する関係者とその期待とは、学術面で想定する関係者は,医学系各分野での学会・国際誌・国際会議などであり,関係者から受ける期待は,医学・医療に関する独創的・先導的研究の推進である。また、社会・経済・文化面で想定する関係者は,地域社会,医療サービス享受者,寄附講座設置者であり,関係者から受ける期待は,研究成果の保健・医療・福祉の向上への貢献,疫学研究による地域社会への貢献,新医療器械の開発,新診断基準の作成,新治療法の開発,寄附講座による研究の発展などである。


 医学部・医学系研究科の研究目的と特徴
 研究活動の状況 現状の点検
 研究活動の状況  現状の評価