平成29年から平成33年に本院へ提出された組織・細胞診検体および患者さんのデータの医学研究への使用のお願い
研究課題名
大分大学医学部附属病院病理部に提出された生検あるいは切除検体などの組織・細胞診検体におけるホルマリン固定パラフィン包埋検体を対象とした，稀少例の症例報告および新規抗体を用いた免疫染色の診断病理学的有用性の検討研究の目的について
最近，腫瘍の主な原因として遺伝子の異常があることが明らかになってきました。遺伝子の異常といっても親から子へ伝わっていく遺伝的なものではなく、体細胞の遺伝子（例えば胃や肺にある固有の細胞がもっている遺伝子）が量的あるいは質的に異常を起こし，正常な細胞増殖の制御機構が働かなくなり自律的な増殖をするようになり腫瘍が出来ると考えられています。近年の分子病理学的・遺伝子学的検査の著しい向上により，典型的な症例だけでなく，稀少な症例に対しても，必要に応じて追加の免疫染色，特殊染色，電子顕微鏡的，遺伝子学的検索を行う必要性が増加しています。本研究では，大分大学医学部附属病院病理部に保管されている生検あるいは摘出された手術検体など，診断が終了したホルマリン固定パラフィン包埋検体を用います。主に腫瘍が中心ではありますが，必要に応じて追加の免疫染色，特殊染色，電子顕微鏡的，遺伝子学的解析などを行い，特に稀少例においては，全国的・世界的にみても入手するのが困難な症例であるため，倫理面(個人情報)を十分に配慮した上で，診断病理学的および臨床的側面を含めて症例報告とすることで，今後の医療の発展に繋がると考えられます。
また様々な新規抗体が作製されており，抗体によっては症例が限られてくるため，免疫染色を実施することで診断的・病理学的有用性も検討することも考えています。
研究期間
平成29年5月12日から平成33年4月1日使用させていただく組織（試料）の保存等について
本院におきまして、病理検査として提出され，診断が終了したホルマリン固定パラフィン包埋検体（試料）を医学研究へ応用させて頂きます。その際、組織を調べた結果と診療情報（例えば治療効果がどうであったかなど）との関連性を調べるため、患者さんの診療記録（カルテやレントゲン写真など）を調べさせて頂くこともあります。なお，患者さんの組織（試料）及び診療記録（カルテ）の使用は，本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認されています。試料および診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律も遵守いたします。使用させていただく組織（試料）等について
この研究の発表後，ホルマリン固定パラフィン包埋検体（試料）は５年間，患者さんの診療情報は10年間，それぞれ保存します。それぞれの保存期間終了後、ホルマリン固定パラフィン包埋検体（試料）は病院病理部へ返却し，患者さんの診療情報は復元できないようにしてパソコンから完全に削除します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合は保存期間を超えて保存させて頂きます。患者さんの費用負担等について
本研究を実施するに当たり、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、利益が生まれた場合でも患者さんはそれを請求することはできません。利益相について
「利益相反」とは，研究成果に影響するような利害関係を指し，金銭および個人の関係を含みますが，本研究ではこの「利益相反（資金提供者の意向が研究に影響すること）は発生しません。上記の公的な資金を用いて行われ，特定の企業からの資金は一切用いないためです。研究の参加等について
本研究へホルマリン固定パラフィン包埋検体（試料）および診療情報を提供するかしないか、は患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に組織（試料）および診療情報を使用してほしくない・されたくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、研究対象から除外いたします。なお、ご協力頂けない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合は、すでに発表した論文を取り下げることはできません。患者さんご自身の組織・検体および診療情報を使用して欲しくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の研究責任者までお申し出下さい。
研究責任者
大分大学医学部診断病理学講座 教授 駄阿 勉 (だあ つとむ)〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
電話番号 097-586-5683
