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研究紹介


本院で唾液腺腫瘍の治療を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ
~手術時(平成19年1月から平成31年3月まで) に摘出された腫瘍組織の医学研究への使用のお願い~








研究課題名

 頭頚部腫瘍における細胞分化バイオマーカーの開発

研究の対象

この研究は以下の方を研究対象としています。
2009年1月〜2019年3月に当院の耳鼻咽喉科または歯科口腔外科で頭頚部癌・唾液腺腫瘍の治療を受けられた方

研究の目的・方法について

 癌は遺伝子の病気だということが最近、明らかになってきました。遺伝子の病気といっても親から子へ伝わっていく遺伝的な病気ではなく、体細胞の遺伝子(例えば胃の細胞や肺の細胞の遺伝子)が量的あるいは質的に異常を起こし、正常な細胞増殖の制御機構が働かなくなり自律的な増殖をするようになると、癌が出来ると考えられています。胃に出来る癌(がん)である胃癌は、通常手術によって治療されますが、有効な抗癌剤が少なく、薬で治すことが難しい癌の一つです。昔の抗癌剤は癌細胞だけでなく、正常細胞にも毒性が強いため強い副作用がありましたが、最近の抗癌剤は、癌細胞のみに存在する異常遺伝子が作り出す蛋白質を標的にしており、癌細胞だけを狙い撃ちに出来るようになってきました。逆に、新しいタイプの抗癌剤の効果を高めるためには、患者さんの癌細胞の異常を認める遺伝子が何かがわかっていなければなりません。特定の遺伝子異常をもつ癌に対して特異的に効果が期待できる抗癌剤は、その遺伝子異常を持っている癌には効きますが、もたない癌には効果が余り期待できません。ですから、患者さんから手術時に摘出された癌組織の遺伝子異常を詳しく調べることで、どのような抗癌剤が有効かを予測できると考えられます。医療の現場では、既に特定の癌(例えば乳癌や肺癌)において、特定の遺伝子異常を検査することが、抗癌剤を投与するかどうか決める有力な診断手段となっています。しかし、残念ながら胃癌ではそのような分子標的は未だ少なく、薬で癌が治癒するレベルには達していません。  本研究では、頭頚部癌や唾液腺腫瘍の患者さんから治療目的で摘出された組織を用いて、遺伝子異常を徹底的に調べること(具体的にいうとDNA、RNA、蛋白質を実験機器を使って調べて、遺伝子の変異の有無や量的異常について調べて異常を認める遺伝子を明らかにします)で、将来頭頸部癌や唾液腺腫瘍の患者さんにはどのような既存の治療薬が効く可能性があるのかを予測できるようにしたいと考えています。さらに、全く新しい異常を認める遺伝子が発見できれば、それを攻撃する新しい抗がん剤の開発にも役立つと考えています。  本研究は,静岡県立総合病院病理学部で行われますが,患者さんから手術によって切除された組織(パラフィンブロックといいます)を,病理診断が終了した後,静岡県立総合病院病理学部に郵送します.その際,患者さんの年齢や性別,腫瘍が発生した場所以外の個人情報は送付しません.また,研究が終了したとき,または本院で必要になった時は速やかに返却されます.

研究期間

 2019年4月1日~2024年3月31日

使用させていただく試料・情報等について

 本院におきまして、既に頭頸部癌・唾液腺腫瘍の治療を受けられた患者さんの癌組織・腫瘍組織(試料)を医学研究へ応用させていただきたいと思います。その際、組織を調べた結果と診療情報(例えば治療効果がどうであったかなど)との関連性を調べるために、患者さんの診療記録(情報:下記※1,2参照)を調べさせていただくこともあります。なお患者さんの癌組織(試料)及び診療記録(情報)を使用させていただきますことは大分大学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認され、大分大学医学部長の許可を得ています。また、患者さんの試料および診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

外部への試料・情報の提供

 

本研究の主施設である静岡県立総合病院病理学部への患者さんの試料・情報の提供については、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。なお、静岡県立総合病院病理学部へ提供する際は、研究対象者である患者さん個人が特定できないよう、氏名の代わりに記号などへ置き換えますが、この記号から患者さんの氏名が分かる対応表は、大分大学医学部診断病理学講座の研究責任者が保管・管理します。また、大分大学医学部長宛へ提供の届出を行い、提供先へも提供内容がわかる記録を提出します。

試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称 大分大学診断病理学講座  駄阿勉

研究組織

研究代表者   静岡県立総合病院 草深 公秀

研究分担者   静岡県立静岡がんセンター 病理診断科 大石琢磨、 杉野 隆

静岡県立静岡がんセンター 頭頸部外科 鬼塚哲郎

浜松医科大学附属病院 病理診断科 馬場 聡

名古屋市立大学大学院医学研究科 臨床病理病態学 稲垣 宏 ほか

患者さんの費用負担等について

 本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。

研究資金

 本研究においては,公的な資金である静岡県立総合病院医学奨励研究費及び名古屋市立大学医学研究科臨床病 態病理学講座 稲垣 宏の文科省科学研究費の分担金を用いて研究が行われ,患者さんの費用負担はありません。

利益相について

 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。

研究の参加等について

 本研究へ試料(癌組織)および診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に試料・診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの試料・診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの試料・診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。

お問い合わせについて

 

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。 照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
電 話:097-586-5683
担当者:大分大学医学部診断病理学講座 
教授 駄阿勉(だあ つとむ)

研究責任者
静岡県立総合病院 病理学部 草深 公秀
住所:〒420-8527 静岡県静岡市葵区北安東4丁目27−1
電話:代表 054-247-6111
研究代表者
静岡県立総合病院 病理学部 草深 公秀
住所:〒420-8527 静岡県静岡市葵区北安東4丁目27−1
電話:代表 054-247-6111




Last updated: 02/18/2020