大分県遠隔画像伝送システム〜Oita Prefecutre Moving Image Transmission System〜

クラウド型12誘導心電図伝送

沿革

大分大学医学部附属病院高度救命救急センターでは、平成22年4月よりドクターカーへ画像伝送システムを、平成24年5月より高精細動態管理システムを導入しました。平成24年8月から平成26年3月まで、東京大学健康空間情報学講座 藤田英雄先生(現自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科教授)のご協力により、大分大学医学部附属病院と竹田市消防消防本部で、クラウド型12誘導心電図(以下クラウド心電図)の実証実験を行いました。34件の伝送を行い8例に急性冠症候群ケースがあり、救急車からの心電図伝送の有効性を報告しました。平成28年度地域医療介護総合確保基金により、大分県遠隔画像伝送システムへ、クラウド心電図伝送システム機能を追加を行い、平成29年7月1日より正式運用を開始しました。

システムの概要

大分県遠隔画像伝送システムは、映像伝送システムと高精細動態管理システムで構成されています。今回、クラウド心電計(Labtech社製)を消防本部に1台ずつ導入し、既設のWindowsタブレットを利用してクラウド上のサーバーへ心電図をアップして、アクセスキーを医療機関に伝えます。4救命救急センターとクラウド心電図閲覧施設は、アクセスキーを使って、サーバーにある心電図を確認します。患者さんの到着する前に、循環器科専門医が、病院内だけでなく自宅からも心電図を確認することができ、事前に治療の準備をしておくことができます。

大分県遠隔画像伝送システムのクラウド心電図の他の地域と比較した特徴を下記に示します。

  • 救急車内の映像情報、救急車の位置情報と12誘導心電図伝送が統合されたシステムである。
  • 県の広い範囲で18病院が参加しているのは、全国でも例を見ない。
  • 地域中核病院も参加している。

これまでの実績

平成29年4月17日(試験運用開始)から平成30年1月4日までに、87件の心電図伝送を行いました。

クラウド心電図の導入の効果を下記に示します。(詳細は、学会などで発表しています。)

  • 救急車到着から治療開始、治療終了までの時間の短縮
  • 不必要な遠隔地からの搬送の回避

参加施設

大分県下の4救命救急センター、8PCI施設、5地域中核病院、および10消防本部が参加しています。

 
救命救急センター 消防本部
大分大学医学部附属病院 別府市消防本部
大分市医師会立アルメイダ病院 佐伯市消防本部
大分県立病院 臼杵市消防本部
新別府病院 津久見市消防本部
PCI施設 竹田市消防本部
別府医療センター 豊後高田市消防本部
厚生連鶴見病院 豊後大野市消防本部
大分循環器病院 由布市消防本部
大分医療センター 国東市消防本部
大分赤十字病院 杵築速見消防組合
大分岡病院 地域中核病院
南海医療センター 臼杵市医師会立コスモス病院
宇佐高田医師会病院 竹田医師会病院
  大久保病院
  みえ病院
  豊後大野市民病院