News 2016

 ◆ 放射線医学森宣教授のドミニカ共和国大統領国民栄誉賞受賞記念講演・記念祝賀会

 
森先生とドミニカ共和国駐日大使(エクトル・パウリーノ・ドミンゲス・ロドリゲス氏)、守山医学部長    

                                             2016年10月04日
● 森 宣 放射線医学講座教授がドミニカ共和国大統領国民栄誉賞を受賞されました

 本学の放射線医学講座教授である森 宣(もり ひろむ)先生がドミニカ共和国大統領国民栄誉賞を受賞されました。大分大学医学部(大分医科大学)は、25年にわたってJICAのプロジェクトを通じてドミニカ共和国の医療支援を行ってきました。その功績を讃え7月に、ドミニカ共和国から森先生に大統領国民栄誉賞(ドゥアルテ・サンチェス・メジャ記念栄誉賞)が贈られました。本賞は、ドミニカ共和国の建国の祖である3人の名前を冠した同国最高の栄誉賞だそうです。10月4日、大分市内のホテルにて記念講演会・祝賀会が開かれました。森先生本当におめでとうございます。

 我が国は、JICAなどを通じて途上国の支援を行っていますが、道路や橋などと違って、医療分野は病院だけ建ててもすぐに役には立ちません。病院で働く様々な職種の方のノウハウが重要です。医師・看護師・検査技師等の医学の知識と医療技術は当然のことながら、カルテの管理に至る細かな点まで支援が必要です。このようなノウハウに関する支援は、資金援助に比べると地道な作業です。これまで本学は、多くの医師・看護師・検査技師、さらには事務職の人までドミニカ共和国に派遣して医療支援活動に取り組んできました。1つの大学が25年もの間、継続的に支援活動をしている例は珍しいそうで、本学医学部が長年このような活動に取り組んできたことを誇りに感じるとともに、森先生や諸先生方の活動に心から敬意を表します。

 受賞された森先生は、講演で途上国支援のあり方についてお考えを述べられていました。支援の専門家を育成するのではなく、専門職の人が簡単に支援に参加できて簡単に日本の職場に戻れる仕組み作りが重要だと伺いました。 実体験に基づく貴重なお言葉だと思います。このことが、行政に反映されることを願います。医学部の1講座が巨大組織のように思われている一般の方もいらっしゃると思いますが(昔、白い巨塔ってありましたね)、地方大学の医学部では人材不足が問題となっていて、医局の運営は大変です。スタッフひとりひとりの役割が非常に重要です。そのような中で、国際支援に医師、看護師、検査技師を長期間派遣することは勇気のいる決断だと思います。森先生が、この賞は自分一人に贈られたものではなく、支援に携わったスタッフと留守を守った全てのスタッフに贈られたものだと謙虚にお話されていたのが印象的でした。