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大分大学テニュアトラックプログラムセミナー (平成25年度第2回全学研究推進機構セミナー)の様子をUPしました。

2014年03月20日

      

開催日時:平成26年2月12日 13時00分~
開催場所:大分大学挟間キャンパス 卒後臨床研修センター1階セミナー室
講  師:RIKEN・BSI 大脳皮質回路可塑性研究チーム 惣谷和広 先生
演  題:抑制回路を介したコリン作動性ニューロンによる覚醒脳の動作制御機構ーin vivo二光子励起を用いた新しい生理学的手法ー 

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◆セミナーの様子◆     


今回、RIKEN・BSI 大脳皮質回路可塑性研究チームの惣谷和広 先生をお呼びして大分大学テニュアトラックプログラムセミナーを開催致しました。
ご講演頂いた惣谷先生は、現所属の理研・BSIにいらっしゃる以前には大阪大学医学系研究科神経生理学教室にて研究をされており、当時より二光子励起レーザー走査型顕微鏡を駆使して大脳皮質における神経回路網の動作制御機構に関わる研究を進めてこられました。
今回の発表では「in vivo二光子励起機能的Ca²⁺イメージング法」および「チャネルロドプシン神経細胞刺激法」といった光を用いた新しい生理学的手法の紹介も交え、神経回路網の「構造と機能」という視点から分かりやすくご講演頂き、大変興味深いセミナーとなりました。
(写真は、セミナーの様子)

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「抑制回路を介したコリン作動性ニューロンによる覚醒脳の動作制御機構」-in vivo二光子励起を用いた新しい生理学的手法ー
 

 


 

抑制性(GABA)ニューロンは、単に神経回路網の活動レベルを抑制するだけでなく、興奮性ニューロンの選択的な情報処理や生後発達初期の神経回路網の成熟に寄与することで、脳神経機能や可塑性の獲得に働いていると想定されているが、GABAニューロンが3次元空間の神経回路網内にどのように分布し、その作用はどの程度の広がりを持つか?そもそも大脳皮質情報処理機構における抑制の役割とは何なのか?大脳皮質神経回路網動作原理における重要な問題は未だその多くが解明されていない。
惣谷先生はその謎の解明を目指し、マウスでの大脳皮質初期視覚野の方位選択性の獲得にGABAニューロンがどのように働いているかという事を指標に、興奮性ニューロンとGABAニューロンの視覚応答反応を麻酔時と覚醒時とで比較測定し、GABAニューロンの視覚応答性が麻酔時よりも覚醒時で優位に増大することなどを明らかとしました。
またこれらの脳の覚醒効果に関わる反応特性には、前脳基底部からの入力が関わっていることを電気刺激またはチャネルロドプシン刺激実験により解析した経緯をお話し頂き、脳の急性スライスによる薬理学的実験を行うことでどのようなレセプターを介しているかを解析したことなどをご説明頂きました。

 


この様にな解析から「前脳基底部(the Basal Forebrain)のコリン作動性ニューロンが、大脳皮質初期視覚野1層ではニコチンレセプターを、また2/3層ではニコチン/ムスカリンレセプターを介して直接的にGABAニューロンの活動に作用して、興奮性ニューロンの視覚応答特性を修飾する。」という新しい神経回路制御機構の一端を明らかとされた研究成果を生理学的実験手法の紹介を交えながらご講演頂きました。

講演後には多数の質疑応答もあり、大変有意義なセミナーとなりました。

      

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