5. AI for Science:生物物理学のための機械学習
グラフニューラルネットワークを用いたスコアベースMCMCと、生物学的配列に対する基盤モデル表現の評価に取り組んでいます。
研究の背景
機械学習は、物理シミュレーションの実行方法や生物学的データの分析方法を変えつつあります。当研究室では、学習したモデルによって分子配置のサンプリングを効率化できるか、そして生物学的配列を扱う大規模な事前学習モデルの内部表現が、単純で従来型の記述子より多くの情報を含むのはどのような場合か、という二つの問いに取り組んでいます。
研究内容
- グラフニューラルネットワークによるスコアベースMCMC。分子を原子と結合からなるグラフとして表し、グラフニューラルネットワークでスコア関数(配置の対数確率の勾配)を学習します。それをマルコフ連鎖モンテカルロ法の提案に利用し、GM-MCMCの研究に学習モデルを組み合わせています。
- 生物学的配列に対する基盤モデル表現。タンパク質やDNAの大規模な事前学習モデルは、高次元の埋め込み表現を生成し、さまざまな課題に利用されています。同一の評価条件で、これらの表現がk-merの出現回数などの単純な基準手法を上回る場合と、上回らない場合を系統的に評価しています。
- 計算環境。研究室のGPUワークステーションと、スーパーコンピュータ「富岳」の利用枠を用いて、シミュレーションと機械学習を融合する研究を進めています。
研究支援
本研究は、文部科学省の「AI for Science」(SPReAD)プログラムと、日本学術振興会の科学研究費助成事業(JSPS KAKENHI)の支援を受けています。