2023年3月11日(土)、12日(日)に「宮崎大分総合診療つながるカフェ(Miyazaki Oita Sougou Shinryo Tsunagaru-cafe :MOST)」が開催されました。宮崎大学×大分大学の総合診療系講座のコラボ企画で、開催地はちょうど真ん中の宮崎県延岡市アパホテル宮崎延岡駅前でした。1泊2日で、参加した学生は23名(大分14名、宮崎9名)、医療関係者を含めると44名が集いました。
開会式では、当講座の宮崎教授から「総合診療医はどのような存在か学びましょう」との挨拶があり、続いて寺尾公成先生(宮崎県立延岡病院院長)より学生へ激励のお言葉がありました。その後、学生スタッフ代表である加藤さん(宮崎大学)、西郡さん(大分大学)より、2チームに分かれ生年月日、出生地について身振り手振りで列を作るアイスブレイクが行われ、会場は盛り上がりました。
企画(1)「やってみよう!複雑困難事例を紐解く、多職種カンファレンス」は吉村学先生(宮崎大学医学部地域医療・総合診療医学講座教授)、梶田一旭先生(宮崎大学地域包括ケア・総合診療医学講座助教)の企画でした。慢性心不全などで施設入所中で、誤嚥性肺炎を繰り返す95歳男性の今後の療養先を決定する多職種カンファレンスを、患者家族や病院・施設・訪問看護スタッフの役を実際に演じながら行うという内容で、学生は果敢に取り組んでいました。単なるグループではなく、同じ方向性を目指すチームの重要性を実感することができました。
企画(2)「人生会議ってなんだ?〜患者さんと向き合う前に自分で体験してみよう〜」は藤谷直明先生(よつばファミリークリニック院長)の企画でした。「余命半年と告知された時、あなたは何を大切にしたいですか?」をテーマに、4人グループで「もしばなゲーム(IACP翻訳・制作・出版)」のヨシダルールを行いました。自分が大切にしていることを見つめ直す良い機会となりました。
1日目のアウトロでは、吉村先生より地域包括ケア実習への協力に対する延岡への感謝のお言葉と宮崎大学のカリキュラムや地域包括ケア実習についての説明がありました。また、平野雅弘先生(延岡医師会副会長)より本会に関してのご感想をいただきました。
夜にはZOOMにて懇親会が開催され、医師と学生がざっくばらんに交流できました。
2日目は学生スタッフ企画である、企画(3)「学生からの挑戦状!患者、家族、多職種から聞き出す『おばあちゃんの幸せ』」が行われました。認知症が疑われる83歳高齢独居の女性について相談を受けた診療所医師役として、4-5人のグループで本人・長男・隣人・ケアマネ&民生委員の各ブースを巡って本人の生活状況や大事にしていることなどを探っていく企画でした。最後に現状を改善するためのアイデアを各グループで出し合う時間があり、学生ならではのユニークなアイデアが多く出されていました。
振り返りでは2日間の思い出をイラストにまとめる時間が設けられ、その後、当講座の塩田星児准教授より総括がありました。
閉会式では、メインスタッフである梶田先生、藤谷先生、加藤さん、西郡さんより感想と参加者への感謝が述べられ、2日間の会を終えました。
文責 堀之内泰雄