~平成27年9月28日から平成28年10月31日までに総合診療・総合内科学講座を受診もしくは、入院された患者における臨床データの観察研究への使用のお願い~
【研究の目的について】
不明熱には、多くの原因疾患があり地域・時代によって様々です。日本でも原因疾患についての報告がいくつかありますが、単独施設・地域による研究のみであり、全国的な調査は行われていません。
また、不明熱の診断に用いられた検査について吟味された報告もあまり多くありません。特に、近年頻用されている血中プロカルシトニン値(PCT)やPositron Emission Tomography(PET)検査などついては、臨床的な有用性についての研究はほとんどありません。
今回、日本病院総合診療医学会に所属する施設において、不明熱患者の前向き多施設共同臨床試験を行い、原因疾患・診断方法について日本で初めての全国的な調査研究を行います。本調査を行うことにより、日本での不明熱診療において重視すべき疾患が明らかになります。また、診断のための有用な検査を明らかにすることにより、今後の診療において診断までの期間を短縮するとともに、不要な検査を減らす効果も期待できる可能性があります。
つまり、本邦の不明熱症例のデータを集積し、その原因・転帰について解析することで、診療の質の向上に寄与します。
【使用させていただく臨床データ等について】
全国の日本病院総合診療医学会に所属する施設において、古典的不明熱と診断された患者に対して以下の臨床データを収集します。これらの情報は保険診療等、通常の診療の範囲を逸脱せず、侵襲についても同等であり観察が主となる研究です。本研究のために不足な情報に対しての一切の追加検査は行いません。
・患者背景: 性別、年齢、合併症、既往症、薬剤服用歴
・臨床所見:自覚症状、他覚的身体所見
・血液検査:血算および一般生化学検査、炎症マーカー検査(CRP、赤沈、プロカルシトニン)
・血液培養検査の有無、結果
・画像検査、内視鏡検査の有無、結果
・細胞診検査、組織検査、遺伝子検査、剖検の有無、結果
・ 最終診断、診断の根拠、診断日、予後
症例報告票には連結可能な固有の登録番号を用い、個人が特定される情報は一切記載・入力されません。各施設の症例報告票が九州大学病院総合診療科に集められ、解析されます。作成済みの症例報告票およびデータベースは、研究代表者にすべての所有権があり、各研究参加施設で適切に保管されます。研究代表者が認めた代理人または規制当局を除き、研究代表者の文書による許可がない場合は、どのような形式でも第三者に開示いたしません。なお患者さんの臨床データを使用させていただきますことは本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認された後に行います。また、患者さんの臨床データは、国の定めた「臨床研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。
【使用させていただく臨床データの保存等について】
保存方法:研究過程で得た情報は、鍵のかかる金庫で保管します。
期 間:研究が終了次第廃棄します(本院における通常の診療カルテ内には残り
ます)。
廃棄方法:機密文書として、個人情報の漏洩がないよう処理し、適切な方法で
破棄します。
【患者さんの費用負担等について】
本研究で収集するデータおよびそのスケジュールは、通常の診療で行われる質問項目・診察・検査の内容および頻度の範囲内であり、検査費用は、保険診療・身体障害者医療制度・更生医療制度等、通常の診療と同様に扱われます。よって、本研究に参加することで得られる治療上の利益や不利益は一切ありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。
【研究資金】
本研究においては,症例報告票に関する諸経費は順天堂大学医学部総合診療科の臨床研究費でまかなわれます。患者さんの費用負担はありません。
【利益相反について】
この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。今回の研究に関し、本研究に関わるすべての者が、本学利益相反マネジメントポリシーに抵触する利益相反がありません。
【研究の参加等について】
この研究へ参加するかどうかはあなたの自由です。また、一度参加すると決めた場合でも、いつでも撤回することができますので遠慮なくお知らせ下さい。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの臨床データを使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の研究責任者までお申し出下さい。
【研究責任者】
879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
大分大学医学部 地域医療学センター 助教 石井稔浩
電話番号 097-586-6306