本院で「高齢者急性骨髄性白血病(AML)の層別化により化学療法が可能な症例に対して若年成人標準化学療法の近似用量を用いる第II相臨床試験 JALSG-GML219」に参加された患者さん・ご家族の皆様へ ~JALSG-GML219 (2019年11月~) に参加され、保存された骨髄液及び血液他の医学研究への使用のお願い~

【研究課題名】
高齢者急性骨髄性白血病における遺伝子異常と予後の関連に関する研究    (JALSG(ジャルエスジ-)*1-GML(ジーエムエル)219-Molecular(マレキュアー)*2)
JALSG-GML219試験(jRCTs041190088)付随研究

*1 JALSG・・・特定非営利活動法人 成人白血病治療共同研究機構
*2 GML219-Molecular・・・今回の試験名の略

【研究の対象】
 この研究は以下の方を研究対象としています。
2019年11月以降:
1. 「高齢者急性骨髄性白血病(AML)の層別化により化学療法が可能な症例に対して若年成人標準化学療法の近似用量を用いる第II相臨床試験 - JALSG-GML219 study-」 の説明を受け同意された患者さん
2. 同試験において試料保存と臨床試験の目的以外の利用(二次利用)、および二次利用の内容として、AMLの病気や病気の状態に影響を及ぼす遺伝子や、遺伝子の発現をコントロールするシステムの異常が見出される可能性を考慮した遺伝子異常やエピゲノム*3異常を解析する研究が含まれること、生まれつき持っている遺伝子異常が偶発的に判明した場合の結果開示希望についての説明を受け同意された患者さん

*3エピゲノム・・・持っている遺伝子をどのように使い、どのように使わないかを決めるスイッチのようなものです。

【研究の目的・方法について】
 この研究の目的は、白血病細胞が持つ遺伝子のなかで特定の遺伝子がどれくらい多く(あるいは少なく)出現しているか(遺伝子発現)を測定すること、そして遺伝子そのものに変化があるかどうか(遺伝子変異)を検討することで、治療効果を予測したりより適切な治療法を開発したりすることにつなげ、ひいては高齢者AML患者さんの治療成績を改善させることができないかを検討することです。
この研究は白血病細胞の遺伝子の量(遺伝子発現:以下に示す解析①)や変化(遺伝子変異:解析②)を調べる研究です。なお、JALSGの別の研究「JALSG CS-17研究付随研究 急性骨髄性白血病を対象としたクリニカルシーケンスの実行可能性に関する研究 JALSG CS-17-Molecular」は研究②と内容が重複しますので、JALSG CS-17-Molecular研究にご参加になられた患者さんでは遺伝子変異(解析②)について調べません。

解析① 白血病細胞で様々な遺伝子がどれくらいの量を出現しているか(遺伝子発現)を測定します。RNAシーケンスという方法で非常にたくさんの遺伝子を測定します。
解析② 研究対象とする遺伝子について変化があるかどうか(遺伝子変異)について次世代シーケンスという方法で解析します。この解析内容はJALSGの別の研究JALSG CS-17-Molecular研究と重複しますので、同研究にご参加になられた患者さんでは遺伝子変異について調べません。

研究期間:(医学部長実施許可日)~2027年10月31日

【使用させていただく試料・情報について】
 本研究では治療開始前に採取した骨髄液または末梢血を用います。JALSG検体保存センターから解析機関へ検体が送付され解析が行われます。その際、診療情報(例えば治療効果がどうであったかなど)との関連性を調べるために、患者さんの診療記録(情報:下記※1参照)も調べさせていただきます。
なお、本研究に患者さんの骨髄液、または末梢血(試料)を使用させていただくことについては、大分大学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査・承認され、大分大学医学部長の許可を得て実施しています。また、患者さんの試料および情報は、国の定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。
※1. 生年月日、性別、患者イニシャル、既往歴、診断名、診断日、合併症等

【使用させていただく試料・情報の保存等について】
骨髄液または末梢血(試料)は研究代表機関にて保存されます。診療情報については本学では論文発表後10年間の保存を基本としており、提供先のJALSGでは研究期間終了後少なくとも5年間保管されます。保存期間終了後は、末梢血(試料)は適切に廃棄し、診療情報については、シュレッダーにて廃棄したり、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。
ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合はそれぞれの保存期間を超えて保存させていただきます。

【外部への試料・情報の提供】
本研究の研究代表機関である福井大学へ本研究で利用させて頂く試料は、JALSG保存センターから解析機関である名古屋医療センターへ送られます。解析結果や診療情報は最終的に福井大学へ提供されますが、いずれの場合も特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。なお、福井大学へ提供する際は、研究対象者である患者さん個人が特定できないよう、氏名の代わりに記号などへ置き換えますが、この記号から患者さんの氏名が分かる対応表は、大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座の研究責任者が保管・管理します。なお、取得した試料・情報を提供する際は、記録を作成し大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座で保管します。
 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
  福井大学学術研究院医学系部門   山内 高弘
  大分大学医学部附属病院 血液内科 高野 久仁子

【患者さんの費用負担等について】
本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来医薬品などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。
 
【研究資金】
本研究は、AMED(エーメド) (日本医療研究開発機構)革新的がん医療実用化研究事業費
『高齢者急性骨髄性白血病の化学療法が可能な症例に対して若年成人標準化学療法の近似用量を用いる第II相臨床試験: JALSG-GML219試験』(班長 福井大学 山内高弘 令和2年度~令和4年度)
を使用するため本学の資金を特に必要としませんが,必要になった場合は大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座の寄附金を使用します。

【利益相反について】
 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。

【研究の参加等について】
本研究へ試料および診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に試料・診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの試料・診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの試料・診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。
                   
【研究組織】
【本学(若しくは本院)における研究組織】
研究責任者
大分大学医学部附属病院 血液内科   助教   高野 久仁子
研究分担者
大分大学医学部附属病院 輸血部    講師   緒方 正男
大分大学医学部附属病院 血液内科   助教   井谷 和人
大分大学医学部附属病院 血液内科 病院特任助教 河野 利恵
大分大学医学部附属病院 血液内科 病院特任助教 吉田 奈津美
大分大学医学部附属病院 血液内科   医員   諸鹿 柚衣
大分大学医学部附属病院 血液内科   医員   奥廣 和樹
大分大学医学部附属病院 血液内科   医員   柳井 優花
大分大学医学部附属病院 血液内科   医員   春山 誉実

【研究全体の実施体制】
実施機関:JALSG(特定非営利活動法人 成人白血病治療共同研究機構)
JALSG理事長:宮﨑泰司(長崎大学原研内科)

研究代表者
山内 高弘
国立大学法人福井大学学術研究院医学系部門
〒910-1193 福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3
E-mail:tyamauch@u-fukui.ac.jp
TEL:0776-61-3111
FAX:0776-61-8109

研究事務局
伊藤 良和
東京医科大学病院 臨床研究支援センター・研究推進センター・血液内科・教授
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-7-1
TEL: 03-3342-6111 内線62012 FAX: 03-3342-0699
E-mail: yito@tokyo-med.ac.jp

JALSG事務局
〒460-0003名古屋市中区錦三丁目6番35号 WAKITA名古屋ビル 8階
JALSG事務長:清井 仁(名古屋大学血液・腫瘍内科学)
TEL:052-734-3182 FAX:052-734-2183 E-mail: office@jalsg.jp

JALSG検体保存センター
埼玉医科大学国際医療センター造血器腫瘍科 教員研究棟7階
前田 智也
〒350-1298 埼玉県日高市山根1397-1
TEL: 042-984-4111 FAX:042-984-4567

検体収集・核酸抽出機関
株式会社SRL
〒191-0002東京都日野市新町5-6-50
TEL:042-646-5911

遺伝子解析実施機関
独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 臨床研究センター 高度診断研究部
〒460-0001名古屋市中区三の丸4-1-1
TEL:052-951-1111
FAX:052-963-5503
解析実施責任者:高度診断研究部長 眞田 昌

【お問い合わせについて】
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
電 話:097-586-6275
担当者:大分大学医学部附属病院 血液内科 助教 高野久仁子(たかのくにこ)

2022年01月11日