大分大学卒後臨床研修センター

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先輩の声vol.1

学内の保育園と病児保育を利用して、充実した研修ができた

富本あけみ先生2015/06/11

子育て中の富本先生。2歳のお子さんも同席してお話を伺いました。 なんと0歳の子育てをしながら国試に合格したとのこと(!) ママさん研修医さんのお話をと思ってインタビューさせていただきましたが、それだけではなくいろいろなお話が聞けました。 (ス=スタッフ)


ス:赤ちゃんを育てながら国試突破ってすごいですね。

冨本先生:この子を抱っこしながら勉強していたので、もしかしたらこの子の方が賢いかもしれません(笑)
新生児のめまぐるしく成長する1年を一緒に過ごせ、その後、研修医として働き始めたので、いいタイミングだったと思います。

ス:そうなんですね。何か子育てに関して学内で利用されている制度やシステムはありますか?

冨本先生:学内の保育園と病児保育を利用しています。
病児保育はとてもいいシステムです。保育園から「熱が出ました」と連絡がきたら、すぐ病児保育に連絡して、もし空きがあれば、 そのまま子供を迎えに行って預けられますので、急に仕事を休む必要がありません。
小児科の外来の先生が、急変時だけではなくて交代で診に来てくれるので、安心して預けられます。

ス:大分大学病院の研修プログラムにマッチした理由を聞かせてください。

冨本先生:第1の理由は自分の母校だからです。 大学病院なら知っている先生も大勢いるし、人間関係の構築に余り神経や時間を費やさず、 医師としてのトレーニングや考え方などを学ぶことに集中できると思いました。 もう一つは、小児科を志望しているのですが、一般小児科だけでなく小児精神という分野を専門にしたいと思っています。 精神科ではなく小児科の方から小児精神を診るところは、九州内では大分大学病院だけだったという理由もあります。

ス:どうして小児精神に興味があったんですか?

冨本先生:学生時代のアルバイト経験からです。学習障害とかADHDの子どもに接した際に、 周囲がそういう疾患を認知し理解した上で、その子たちがより生きやすい環境を作れたらいいなと思いました。

ス:研修生活で嬉しかったことや悲しかったことを教えてください。

冨本先生:嬉しいことは、やっぱり患者さんから「ありがとう」と言われることですね。 お手紙をもらったり、「先生のために作ったの」と手作りのアクセサリーを持ってきてくれたり。 仕事が続けられる糧になっているかなと思います。悲しかったことは、基本ポジティブな性格なので余りないです(笑)
研修とは直接関係ありませんが、ドクターになるきっかけになった祖母が今年亡くなった時に、祖母の希望でDNA-R(do not attempt resuscitation、蘇生不要指示)にすることを家族で決めていました。 しかし、医師として患者さんを全力で助けようと努力していたにも関わらず、その場で何もやらないという選択をするのがすごく辛かったです。 それまでは、患者さんが安らかな最期を迎えるための選択と思っていたけど、やっぱりそれも家族にとっては辛い選択なのだというのが実感としてわかりました。 患者さんの側の気持ちにもなって物事が考えられるいい体験ができました。

ス:なるほど。では、後輩にひとこと

冨本先生:一年目大学病院で研修するのはとても楽しいと思います! たすきがけにするにしても、一年目は大学病院でしっかり学んで、2年目にその知識を生かして、 さらに技術を身につけるというのが一番いいかなと思います。 私は卒業が遅れたので、ストレートで医師になった同期はみんな8年目の医師です。 彼らに聞くと、「研修1年目・2年目をどこでやっても、その人次第だよ」、 「common diseaseが診られるから外病院がいいと思いがちだけど、どこでも一緒だよ」という答えが返ってきました。 私は子どもがいてもいなくても、2年間大学病院での研修を選択したと思います。

ス:ありがとうございます。では、働くママ研修医としてひとこと。

冨本先生:思ったよりしっかり働けます。
私は最初、1年目の4、5月は先生方に子どもがいることを言わずに働こうと思いました。特別視されるのが嫌で、子どもがいるからという理由で自分の研修の機会を逃したくなかったのです。 保育園の開園時間より朝が早い科の場合は、どうしても断りを入れないといけませんが、自分の頑張り次第で、時間をうまく使えばうまく働けます。 例えば週末にサマリーをまとめて書くとか。大変だけど子どものためと思って働くことでやりがいが倍になります。
なので、意外と大丈夫です。自分の親が近くに居なくても意外と大丈夫。あとは旦那さんの協力次第ですね。

ポジティブでとてもエネルギッシュな富本先生。たくさんのお話をありがとうございました!
最後に、2年目の途中ですが、「研修で得られたもの、意義深かったこと」をメールで送っていただきました。

大学病院で研修して、「医療行為をするにあたっての考え方」を学べたことが一番意義深かったと考えています。
どの科を回っても先生方が処方の仕方一つから丁寧に指導してくださいます。 さらに一緒に問題解決をしようとしてくれる、頼れる同期がいるというのが本当に心強かったです。 自分の知識不足、経験不足はもちろんですが、そういった足りない部分を同期に相談し、 共に考えるということでとても勉強になったし、いろんな答えがあるということを学べました。 研修先によって、技術が身に付く病院や実践に強くなる病院など、様々な研修先があると思いますが、 最終的にはどこで研修したかではなく、自分がどう研修したかが問題になると考えました。
富本 あけみ

宮崎県出身
1年目大学病院コース

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