[発行] 大分大学医学部附属病院広報誌発行委員会

お薬のコーナー

喫煙と薬

 

ニコレット・ニコチネルTTS
 タバコの煙の中には約4000種類の化学物質があることが知られています。体への直接的な悪影響だけでなく、体に取り込まれた様々な成分が、肝臓にある薬物を分解する酵素を活性化します。その結果タバコを吸っていない人よりも早く薬を分解してしまうことが明らかになっています。(一部、逆に分解が遅くなる薬物もあります)
 喫煙により早く分解される薬物としては、喘息に使われるテオフィリン、解熱鎮痛薬の一部、抗うつ剤などがあります。またインスリン依存性糖尿病(タイプ1型)患者がヘビースモーカーの場合、非喫煙者よりも15〜30%程度インスリンの必要量が多くなることが報告されています。さらに、喫煙は経口避妊薬の心血管系への副作用のリスクを高めることが明らかになっています。その他、喫煙者ではビタミンC、B6、B12 の補給を多くする必要があるなどの報告があります。
 喫煙者だけではなく、受動喫煙者も同様です。喫煙される方は周囲の方にご配慮ください。

<禁煙補助剤について>
 タバコに替えて一時的にニコチンをお薬から摂ることにより、禁煙過程における離脱症状の発現を抑えながら、タバコへの欲求を少なくして最終的にタバコをやめるお薬です。2種類の違った形の薬があり、ガムのように噛むだけで効果がある薬(二コレットR )と貼り薬(ニコチネルTTSR )があります。ニコチネルTTSRは本院で処方可能です。二コレットR は最寄りの薬局でも購入できます。

 

     (文責 薬剤部 桑原 昌代)

 

最終更新日時: 大分大学医学・病院事務部管理課作成