本院で成人T細胞白血病リンパ腫に対するモガムリズマブ治療を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ

【研究課題名】
成人T細胞白血病リンパ腫に対するモガムリズマブ治療中の免疫モニタリング 附随研究

【研究の対象】
 この研究は以下の方を研究対象としています。
2017年4月~2022年7月の期間に『成人T細胞白血病リンパ腫に対する
モガムリズマブ治療中の免疫モニタリング 附随研究』に同意された方

【研究の目的・方法について】
 この研究は、成人T細胞白血病リンパ腫に対する、モガムリズマブ(抗CCR4抗体)(分子標的薬と呼ばれる抗がん剤の一種)の治療効果および有害事象発症に関する有望な予測因子(マーカー)の候補を探索するとともに、モガムリズマブの最善・最良な使用方法を確立することを目的としています。遺伝子検査によって、モガムリズマブの治療効果
および有害事象発症を規定する、宿主(しゅくしゅ)(患者さん本人由来の細胞)の遺伝学的素因および腫瘍細胞の遺伝子異常を明らかにすることができれば、モガムリズマブ治療における、次世代のテーラーメイド治療の確立が期待できます。

この研究は、2017年4月~2022年7月の期間に、当院において『成人T細胞白血病リンパ腫に対するモガムリズマブ治療中の免疫モニタリング附随研究(以下、MIMOGA 附随研究)』に文書による同意をされた方を対象としています。
診療過程で検査等の目的で採取した患者試料 (生検組織、血液等) が当院に保存してある場合、附随研究目的に利用可能とさせていただきたいと思います。

 具体的には、診断に用いた生検組織(リンパ節、皮膚、骨髄等)の標本の一部を、匿名化(名前が分からないように加工)してから本研究の主施設である研究事務局(名古屋市立大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学)に送付し、附随研究に利用させていただきます。また、血液検体(血清、血漿、腫瘍細胞など)や腫瘍細胞検体(DNAなど)が保存されている場合で、上記の生検組織検体を附随研究に用いることができない場合、あるいは附随研究の目的に不十分な場合には、同保存検体を利用させていただくことがあります。

なお、この研究に関し、患者さんの新たな費用負担や採血検査などの身体的負担は一切ありません。

MIMOGA附随研究の同意を得た際に説明いたしました内容とほぼ同様に、以下の検査項目を予定しています。

 遺伝子検査(whole genome sequencing, whole exome sequencing, RNA-Sequencing [TCR/BCR repertoire 解析含む]、血漿/血清中遊離核酸解析、genome-wide association study 等)
 血中サイトカイン検査
 包括的抗体反応アレイ検査
 microRNA-SNP検査(次世代シーケンサーによる)
 B型肝炎ウイルス(HBV)関連検査(HBV血清マーカー、HBV DNAおよびHBV遺伝子解析)

 本研究で得た癌組織や患者さんの診療情報は、患者さんの氏名、生年月日、カルテ番号などではなく、本研究用に発行されたコード番号のみを使用します。あなたの氏名が外部に漏れることは絶対にないよう十分注意して行われ、プライバシーの保護について細心の注意が払われます。この研究で集められたデータ及び検体などについては、当院において責任をもって研究終了まで適切に管理・保管いたします。本研究の成果は学会や学術論文として公表され、基本的には個人名との照合はいたしません。ただし、患者さんの希望があれば,結果公表後にお伝えすることは可能です。

研究期間: 2017年4月17日 ~ 2027年7月31日


【使用させていただく試料・情報について】
 本院におきまして、既に『成人T細胞白血病リンパ腫に対するモガムリズマブ治療中の免疫モニタリング 附随研究』に同意された患者さんの血液や血漿(血液から血球成分を除いたもの)、癌組織(試料)を医学研究へ応用させていただきたいと思います。その際、癌組織を調べた結果と診療情報(例えば治療効果がどうであったかなど)との関連性を調べるために、患者さんの診療記録(情報:血液、年齢、性別、前治療内容および治療効果、検査データなど)を調べさせていただくこともあります。なお患者さんの癌組織(試料)及び診療記録(情報)を使用させていただきますことは大分大学医学部ヒトゲノム研究倫理審査委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認され、大分大学医学部長の許可を得ています。また、患者さんの試料および診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。


【使用させていただく試料・情報の保存等について】
 検体の保管は、本研究主施設の研究事務局である名古屋市立大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学にて行います。検体(試料)の保存は論文発表後5年間、診療情報については論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、焼却処分し、診療情報についてはシュレッダーにて廃棄し、パソコンなどに保存している電子データは復元できないよう完全に削除します。但し、研究の進展によって更なる研究の必要性が生じた場合はそれぞれの保存期間を超えて保存させていただきます。


【外部への試料・情報の提供】
本研究の主施設である名古屋市立大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学への患者さんの試料・情報の提供については、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。なお、名古屋市立大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学へ提供する際は、研究対象者である患者さん個人が特定できないよう、氏名の代わりに記号などへ置き換えますが、この記号から患者さんの氏名が分かる対応表は、大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座の研究責任者が保管・管理します。なお、取得した試料・情報を提供する際は、記録を作成し大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座で保管します。また、大分大学医学部長宛へ提供の届出を行い、提供先へも提供内容がわかる記録を提出します。


 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
  大分大学医学部附属病院 輸血部 緒方 正男 (おがた まさお)


【研究組織】
  【本学(若しくは本院)における研究組織】
所属・職名 氏名 経験年数
研究責任者 大分大学医学部附属病院  輸血部 講師  緒方 正男 32年
研究分担者 大分大学医学部附属病院 血液内科 助教  高野 久仁子 14年
大分大学医学部附属病院 血液内科 助教  本田 周平 11年
大分大学医学部附属病院 血液内科 病院特任助教  河野 利恵 24年

 【研究全体の実施体制】
所属 氏名
研究統括責任者 愛知医科大学医学部 腫瘍免疫寄付講座 上田 龍三
研究代表者 名古屋市立大学大学院医学研究科 分子細胞免疫学 石田 高司
研究事務局 名古屋市立大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学 楠本 茂
データセンター 名古屋市立大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学 伊藤 旭
【患者さんの費用負担等について】
本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。
 
【研究資金】
 本研究においては,以下の公的研究課題の一環として行われ、患者さんの費用負担はありません。

 日本医療研究開発機構(AMED)研究費(次世代がん医療創生研究事業)がん細胞および免疫応答解析に基づくがん免疫療法効果予測診断法の確立 『CCR4抗体 (mogamulizumab) 治療を施行されたATL患者の免疫動態解明によるバイオマーカー同定』(課題番号20cm0106301h0005)R2- 研究分担者 石田高司 (代表者 西川博嘉)

 基盤研究(C)、『がん化学療法後のB型肝炎ウイルス再活性化後の核酸アナログ中止規準の確立』R2-、課題番号20K08739、研究代表者 楠本 茂


【利益相反について】
 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。


【研究の参加等について】
本研究へ試料および診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に試料・診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの試料・診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの試料・診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。
                  
【お問い合わせについて】
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
  電 話:097-586-6275
 担当者:研究責任者
大分大学医学部附属病院 輸血部 講師 緒方正男(おがた まさお)


研究代表者
 名古屋市立大学大学院医学研究科 分子細胞免疫学  特任教授 石田 高司

2020年07月29日