本院で非小細胞肺癌の治療を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ

【研究課題名】
WJOG13119L
EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌を対象としたDroplet(ドロップレット) digital(デジタル) PCR法による
EGFR-TKI治療前のEGFR T790M検出の意義を検討するための多施設共同研究

【研究の対象】
 この研究は以下の条件をすべて満たす方を研究対象としています。
1) 組織学的あるいは細胞学的に非小細胞非扁平上皮肺癌と診断された患者さん
2) 2015 年4 月以降に採取された検体においてEGFR遺伝子変異検査でexon(エクソン)19 deletion(デリーション) 又はexon(エクソン)21 L(ロイシン)858R(アルギニン) が陽性であることが確認された患者さん
3) EGFR遺伝子変異検査で EGFR exon(エクソン)20 T(スレオニン)790M(メチオニン) が陰性であることが確認された患者さん
4) 根治照射不能な臨床病期Ⅲ期、Ⅳ期、又は化学放射線治療後、根治手術後再発と診断された患者さん
5) EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI : チロシンと呼ばれるアミノ酸をリン酸化という修飾をするタンパク質の機能を阻害する治療薬)が初回単剤で、又は細胞障害性抗がん剤治療に続いて2次治療として投与された患者さん
A) 第1、第2世代EGFRチロシンキナーゼ阻害剤が2018年6月までに投与開始された患者さん
B) 第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害剤が2019年6月までに投与開始された患者さん
6) 初回EGFRチロシンキナーゼ阻害剤治療前の骨生検検体を除く腫瘍組織検体を本研究で使用可能であること

*EGFRチロシンキナーゼ阻害剤の分類について
第1、第2世代 : ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ
第3世代 : オシメルチニブ

【研究の目的・方法について】
 我が国の原発性肺癌患者の死亡数は1998 年から全癌種の中で第一位となっており、2018 年の年間肺癌死亡数は10 万人あたり、男性で86.7 人、女性で34.4 人と報告されています。原発性肺癌の病理組織型は小細胞癌と非小細胞癌(Non-small(ノン スモール) cell(セル) lung(ラング) cancer(キャンサー): NSCLC)に大別され、その頻度は前者が15-20%、後者が80-85%です。NSCLC の中で、特に腺癌の患者さんでは、癌発生の直接的な原因となるような遺伝子(ドライバー遺伝子)が検出されることが知られており、これらドライバー遺伝子の変異/転座(てんざ)(遺伝子の染色体上での位置が本来の正常な位置とは異なる位置に移動すること)を有する患者さんに対して、それぞれの遺伝子変異/転座を標的とするキナーゼ阻害剤の有効性が報告されています。
 本研究では、非小細胞肺癌の患者さんから治療目的で摘出された癌組織を用いて、上記のキナーゼ阻害剤の標的となる受容体である上皮成長因子受容体(Epidermal(エピダーマル) Growth(グロース) Factor(ファクター) Receptor(レセプター) : EGFR)の変異の有無をddPCR法と呼ばれる高感度な検出方法で測定します。この測定結果によって、EGFRの変異の有無と、治療に用いたキナーゼ阻害剤の種類によって効果の違いがどのように関係しているのかを明らかにすることを目的としています。この研究を行うことで、将来NSCLCの患者さんにはどのような既存の治療薬が効く可能性があるのかを予測できるようにしたいと考えています。


研究期間:2021年7月20日~ 2021年 8月31日


【使用させていただく試料・情報について】
 本院におきまして、非小細胞肺癌の治療を受けられた患者さんのすでに病理検査時に採取させていただいた癌組織(試料)を医学研究へ応用させていただきたいと思います。その際、癌組織を調べた結果と診療情報(例えば治療効果がどうであったかなど)との関連性を調べるために、患者さんの診療記録(情報:年齢、性別、喫煙歴、腫瘍組織の組織型、治療に使用した薬の種類、など)を調べさせていただきます。なお患者さんの癌組織(試料)及び診療記録(情報)を使用させていただきますことは大分大学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認され、大分大学医学部長の許可を得ています。また、患者さんの試料および診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。
【使用させていただく試料・情報の保存等について】
癌組織(試料)の保存は論文発表後5年間、診療情報については論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、癌組織(試料)は焼却処分し、診療情報については、シュレッダーにて廃棄します。パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合はそれぞれの保存期間を超えて保存させていただきます。

【外部への試料・情報の提供】
本研究の主施設である広島大学 呼吸器内科への患者さんの試料・情報の提供については、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。なお、広島大学及び、測定の委託先である株式会社LSIメディエンス メディカルソリューション本部へ試料・情報を提供する際は、研究対象者である患者さん個人が特定できないよう、氏名の代わりに記号などへ置き換えますが、この記号から患者さんの氏名が分かる対応表は、大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座の研究責任者が保管・管理します。なお、取得した試料・情報を提供する際は、記録を作成し大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座で保管します。

 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
  大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座 
      病院特任助教 西川 和男(にしかわ かずお)

【研究組織】
【本学(若しくは本院)における研究組織】
所属・職名 氏名
研究責任者 大分大学医学部附属病院 腫瘍内科 病院特任助教 西川 和男
研究分担者 大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座 准教授 廣中 秀一
大分大学医学部附属病院 腫瘍センター 講師 大津 智
大分大学医学部附属病院 腫瘍内科 病院特任助教 小森 梓
大分大学医学部附属病院 腫瘍内科 医員 稲墻 崇

【研究全体の実施体制】
研究代表者
広島大学病院 呼吸器内科  服部 登
〒734-8551 広島県広島市南区霞1-2-3
Tel:082-255-5196 Fax:082-255-7360
E-mail:nhattori@hiroshima-u.ac.jp
 測定委託先 : 株式会社LSIメディエンス メディカルソリューション本部
 〒174-8555 東京都板橋区志村3-30-1
【患者さんの費用負担等について】
この研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、この研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。

【研究資金】
 この研究の運営は、ベーリンガーインゲルハイム株式会社の援助を受けて、WJOG(西日本がん研究機構 West Japan Oncology Group)が行います。本研究において患者さんが負担する費用は発生しませんが、発生した場合は大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座の寄附金にて負担いたします。

【利益相反について】
 この研究は,上記の通りベーリンガーインゲルハイム株式会社の援助を受けて、実施されます。ベーリンガーインゲルハイム株式会社が、透明性ガイドラインに則り、寄付について外部に公表を行います。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが、本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。

【研究の参加等について】
本研究へ試料(癌組織)および診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に試料・診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの試料・診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの試料・診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。

【お問い合わせについて】
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
  電 話:097-586-6275
 担当者:研究責任者
      大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座 
         病院特任助教 西川 和男(にしかわ かずお)

2020年12月24日