本院で大腸癌の治療を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ~2018年3月30日~2022年10月21日の間にJCOG1503C試験へ参加された患者さんの試料及び診療情報の医学研究への使用のお願い~

【研究課題名】
StageIII大腸癌における新たな病理組織学的因子を用いた予後予測および補助療法の治療効果予測に関する研究(JCOG1503CA1)

【研究の対象】
 この研究は以下の方を研究対象としています。
2018年3月30日~2022年10月21日の間にJCOG1503C試験へ参加された方

【研究の目的・方法について】
目的:本研究は、JCOG1503C試験に参加いただいた大腸がん患者さんの病理標本を用いて病理組織学的因子を調べることで、大腸がんと関連のある特徴を見つけ出すこと、および治療の効果や予後を予測できる特徴を見つけ出すことを目的としています。

方法:本研究では、当施設をはじめJCOG1503C試験の参加施設で保管している病理標本を用いて、簇(ぞく)出(しゅつ)※1、低分化胞(ていぶんかほう)巣(そう)※2、線維(せんい)性(せい)癌間質(がんかんしつ)反応(はんのう)※3という新しい病理組織学的因子を評価します。
それらを評価した結果と、当施設で保管している病理標本の診断結果および、あなたにご参加いただいたJCOG1503C試験で収集された臨床情報を合わせて、大腸がんの病理標本から、治療方針に関わるような予後や治療効果の予測ができるかなどの検討を行います。
※1 簇(ぞく)出(しゅつ)…簇出とは、小さいがん細胞の塊ががんの周囲にバラバラと散らばりながら育っている状態です。簇出の程度が強いほど大腸がんが再発する可能性が高いことが報告されています。
※2 低分化胞(ていぶんかほう)巣(そう)…低分化胞巣とは、分化(がんが発生した粘膜と類似した形態を示すこと)の傾向が乏しいがん細胞の塊です。簇出と同様に、低分化胞巣が多いほど大腸がんが再発する可能性が高いことが報告されています。
※3 線維(せんい)性(せい)癌間質(がんかんしつ)反応(はんのう)…線維性癌間質反応とは、がん細胞の周囲(がん間質)に線維組織が増加する現象です。しっかりした線維組織が作られる前の未成熟な線維組織が認められるほど大腸がんが再発する可能性が高いことが報告されています。

研究期間:(医学部長実施許可日)~2029年11月30日

【使用させていただく試料・情報について】
 本院におきまして、既に大腸癌の治療を受けられた患者さんの癌組織(試料)を医学研究へ応用させていただきたいと思います。その際、癌組織を調べた結果と診療情報(例えば治療効果がどうであったかなど)との関連性を調べるために、患者さんの診療記録(情報:下記※1、2)も調べさせていただきます。
なお、本研究に患者さんの癌組織(試料)及び診療記録(情報)を使用させていただくことについては、大分大学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査・承認され、大分大学医学部長の許可を得て実施しています。また、患者さんの試料および診療情報は、国の定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従い、特定の個人を識別できないよう加工したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

※1 試料:組織 日常診療の手術の際に採取、作製され当施設で保管されている病理標本を用います。
※2 本院で保管している病理標本の診断結果、JCOG1503Cで得られた臨床情報(病歴、抗がん剤治療の治療歴)等

【使用させていただく試料・情報の保存等について】
癌組織(試料)の保存は論文発表後5年間、診療情報については論文発表後 10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、癌組織(試料)は焼却処分し、診療情報については、シュレッダーにて廃棄したり、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。
ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合はそれぞれの保存期間を超えて保存させていただきます。

【外部への試料・情報の提供】
本研究の主施設である防衛医科大学校外科学講座への患者さんの試料・情報の提供については、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。なお、防衛医科大学校外科学講座へ提供する際は、研究対象者である患者さん個人が特定できないよう、氏名の代わりに記号などへ置き換えますが、この記号から患者さんの氏名が分かる対応表は、大分大学医学部 腫瘍・血液内科学講座の研究責任者が保管・管理します。なお、取得した試料・情報を提供する際は、記録を作成し大分大学医学部 腫瘍・血液内科学講座で保管します。また、大分大学医学部長宛へ提供の届出を行い、提供先へも提供内容がわかる記録を提出します。

 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
  防衛医科大学校外科学講座  上野 秀樹
  大分大学医学部附属病院 腫瘍センター 大津 智

【患者さんの費用負担等について】
本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来医薬品などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。
 
【研究資金】
・ 日本医療研究開発機構委託研究開発費 革新的がん医療実用化研究事業「Stage III 治癒切除大腸癌に対する術後補助療法としてのアスピリンの有用性を検証する二重盲検ランダム化比較試験」
・ 国立がん研究センター研究開発費 2020-J-3 主任研究者:大江 裕一郎「成人固形がんに対する標準治療確立のための基盤研究」班
本研究は,上記の資金を使用するため本学の資金を特に必要としませんが,必要になった場合は大分大学医学部 腫瘍・血液内科学講座の寄附金を使用いたします。

【利益相(りえきそう)反(はん)について】
 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。

【研究の参加等について】
本研究へ試料(癌組織)および診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に試料・診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの試料・診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの試料・診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。
                   
【研究組織】
【本学(若しくは本院)における研究組織】
         所属・職名          氏名
研究責任者 
大分大学医学部附属病院 腫瘍センター 講師 大津 智

研究分担者
大分大学医学部附属病院 腫瘍内科  助教  西川 和男
大分大学医学部附属病院 腫瘍内科 病院特任助教 稲墻 崇



【研究全体の実施体制】
研究代表者
上野 秀樹
防衛医科大学校 外科学講座
〒359-8513 埼玉県所沢市並木 3-2
TEL:04-2995-1637 FAX:04-2996-5205
E-mail:ueno_surg1@ndmc.ac.jp

研究事務局 
梶原 由規
防衛医科大学校 外科学講座
〒359-8513 埼玉県所沢市並木 3-2
TEL:04-2995-1637 FAX:04-2996-5205
E-mail:ykaji@ndmc.ac.jp

共同研究機関 
山形県立中央病院 外科 佐藤 敏彦
筑波大学附属病院 消化器内科 森脇 俊和
栃木県立がんセンター 消化器外科 藤田 伸
群馬県立がんセンター 消化器外科 尾嶋 仁
防衛医科大学校病院 下部消化管外科 梶原 由規
埼玉県立がんセンター 消化器外科 川島 吉之
埼玉医科大学国際医療センター 腫瘍内科 濱口 哲弥
国立研究開発法人国立がん研究センター東病院 消化管内科 小島 隆嗣
千葉県がんセンター 食道胃腸外科 滝口 伸浩
国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 消化管内科 髙島 淳生
東京医科大学病院 消化器・小児外科 土田 明彦
東京都立駒込病院 外科 山口 達郎
東京医科歯科大学病院 大腸・肛門外科 絹笠 祐介
東京慈恵会医科大学附属病院 消化管外科 小菅 誠
東邦大学医療センター大橋病院 外科 斉田 芳久
日本医科大学付属病院 消化器外科 山田 岳史
神奈川県立がんセンター 消化器外科大腸 塩澤 学
公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター 渡邉 純
新潟県立がんセンター新潟病院 消化器外科 丸山 聡
岐阜大学医学部附属病院 消化器外科 松橋 延壽
静岡県立静岡がんセンター 大腸外科 塩見 明生
愛知県がんセンター 消化器外科部 小森 康司
大阪大学医学部附属病院 消化器外科 植村 守
地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター 消化器外科 安井 昌義
大阪医科薬科大学病院 化学療法センター 後藤 昌弘
関西医科大学附属病院 がんセンター 朴 将源
神戸大学医学部附属病院 食道胃腸外科 掛地 吉弘
独立行政法人労働者健康安全機構関西労災病院 消化器外科 村田 幸平
兵庫医科大学病院 下部消化管外科 片岡 幸三
兵庫県立がんセンター 消化器内科 津田 政広
姫路赤十字病院 外科 渡邉 貴紀
公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 外科 横田 満
県立広島病院 消化器・乳腺外科 池田 聡
独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 消化器内科 仁科 智裕
高知県・高知市病院企業団立高知医療センター 消化器外科・一般外科 稲田 涼

【お問い合わせについて】
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
  電 話:097-586-6275
 担当者:大分大学医学部附属病院 腫瘍センター 講師 大津 智(おおつ さとし)

2023年06月07日