循環器内科・臨床検査診断学講座/高度救命救急センター 安部 一太郎 助教 が2024年UJA奨励賞を受賞

大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学講座/高度救命救急センター 安部 一太郎 助教が、2024年UJA奨励賞を受賞し、Web上( https://cheironinitiative.wixsite.com/uja-award )で発表されました。

海外日本人研究者ネットワークUJAは、海外で活躍する若手研究者を支援するため、UJA論文賞により優れた論文を発表した日本人研究者の表彰を行なっています。この賞は2015年に根岸英一先生 (2010年ノーベル化学賞) が審査委員長を務めるインディアナ州論文賞(IT-IJC Outstanding Research Paper Award)として設立されました。現在は、アメリカ中西部4州を中心として、以下の理念に基づき優秀な科学論文を表彰しています。

  1. 優秀な論文に対する表彰
  2. 論文内容の国内外への情報発信の強化
  3. 研究者間の異分野研究交流の促進

安部助教の受賞は、ベージュ脂肪の新たな増殖機構を解明する、先見的な科学的アプローチが評価されたものです。ベージュ脂肪細胞は熱を産生する特殊な脂肪細胞ですが、白色脂肪組織におけるベージュ化がどのようなプロセスにより行われているのかはこれまで不明なままでした。従来の報告とは異なり、安部助教はCD81陽性前駆細胞がCD36を介してリノール酸を取り込むことで増殖し、ベージュ化が誘導されることを明らかにしました。ベージュ脂肪細胞の増加はエネルギー消費の増大を引き起こして太りにくい体質作りに繋がる事から、本研究結果から新たな糖尿病や肥満の治療法の開発が期待されます。