医学科6年(受賞当時5年)加藤亜美さんが、2025年3月17日~19日に幕張メッセで開催されたAPPW2025(第130回日本解剖学会・第102回日本生理学会・第100回日本薬理学会の三学会合同大会)において、Undergraduate Poster Awardを受賞しました。
本賞は、全国の医学部学生・学部学生によるポスター発表の中から、特に優れた研究に対して授与されるものであり、加藤さんの研究はその独自性と将来性が高く評価されました。
なお、加藤さんは、昨年開催された第101回日本生理学会大会においても、別テーマで「学部生ポスターアワード(学部生優秀賞)」を受賞しており、今回で2年連続の受賞となります。学部学生としての研究活動において、非常に顕著な成果を挙げています。
発表演題
Ketone bodies improve alcoholic liver disease by reducing extracellular hepatocyte ATP/adenosine levels in Zebrafish(アルコール性肝疾患に対する肝細胞外 DAMPsを介したケトン体の作用)
発表者
加藤 亜美、Magdelin Elizabeth Carrasco Apolinario、Mengting Shan、Phurpa、梅田 涼平、花田礼子
研究紹介
アルコール性肝疾患は、長期間の過度な飲酒によって肝臓が障害を受ける疾患であり、進行すると肝硬変や肝がんへ移行する可能性があります。近年、この疾患の病態進展において、肝臓における細胞外アデノシンの蓄積が一因であることが明らかになってきました。
加藤さんは、細胞外アデノシンの動態を可視化できるゼブラフィッシュモデルを用いて研究を行い、ケトン体の投与が、肝臓内の細胞外アデノシン濃度を有意に低下させることを明らかにしました。ケトン体は脂質代謝の過程で体内に生成される物質であり、本研究成果は、アルコール性肝疾患に対する新たな治療法への応用が期待されます。