2年生へのお知らせ Info for Students

 ◆寄生虫学試験

     11月15日(月):寄生虫学本試験

12月27日

配点について
本試験の配点は右の通り

 

各0.5点 問1(1)、問3(7)A〜G、問5(1)1〜22、問7(2)ア〜セ
各1点 問1(2)〜(6)、(11)、問2(1)〜(12)、 問3(1)〜(6)、問4(1)〜(6)、問5(2)〜(5)
各2点 問1(7) 、(9)、(10)、問5(6)、問6(2)
各3点 問1(8) 、問6(1)
各4点 問7(1)
各4.5点 問3(8) 、問5(7)
各5点 問2(13)、問4(7)、問5(8)
12月27日

寄生虫学本試験
採点 コメント

問1(8)熱帯熱マラリアによる脳障害、腎障害の発症機序の説明ができていない学生がいます。感染赤血球の表面に接着性分子の発現が誘導され毛細血管を塞栓するということが書けていません。1点以下の部分点は、努力点(おまけ点)で、正解にはほど遠い。勉強して正しい答えを覚えてください。くれぐれも後輩に間違った答えを伝えないように!

問1(10)熱帯熱マラリア原虫は赤血球に多数寄生するので赤血球が壊れてヘモグロビンが尿中に出て血色素尿になって黒くなります。赤血球がそのまま尿にでる血尿(赤い)と血色素尿(黒い)を混同している学生がいました。

問2(9)「トリパノソーマ科原虫は細胞外で、リーシュマニア属の原虫は細胞内で増殖する。」は「誤り」ですが(クルーズトリパノソーマは細胞内で増殖するので)、以前これを「正しい」と説明したということなので、この設問については「誤り」とした人も「正しい」とした人もどちらも加点します。従って、「1, 3(これが正解)」も「1, 3, 5」も加点します。但し、他の設問について間違った選択をした場合は加点しません。

問4(7)ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は成人T細胞白血病(ATL)というリンパ球の悪性腫瘍の原因ウイルスで、南西日本を中心に流行がみられます。このウイルスの感染と播種性糞線虫症の関連が知られています。もちろんHIV (AIDS)感染との関連も重要ですが、HIV 感染は九州や奄美、沖縄を中心に流行しているものではありません。寄生世代雌成虫が産卵した虫卵が単為発生して小腸粘膜内で孵化してラブジチス型幼虫になります(ここまでは通常の感染経路と同じ)。これが、排泄される前に腸管内でフィラリア型感染幼虫になると腸管組織に感染します(これが自家感染)。幼虫は血流にのって肺へ移動してそこで発育し気管を遡って食道、胃を経由して小腸で成熟して、同じ宿主の中で寄生世代雌成虫に育ちます。

問5(6)問題の趣旨としては、臨床の現場で有鉤条虫と無鉤条虫を如何に見分けるのかを理解できているか尋ねています。虫卵では区別できないので排泄された受胎体節の子宮に墨汁を入れてその分岐を観察します。無鉤条虫は両側に12-20本の分岐があり、有鉤条虫は5-10本以下で太いのが特徴です。有鉤条虫と無鉤条虫の頭節の違いを説明している学生が数名いました。勿論、その名の通り、有鉤条虫には小鉤があって、無鉤条虫にはありません。今回の問題の趣旨は、実際に患者の糞便に混ざっている片節ということで頭節ではなく、受胎体節を想定して作った問題です。しかし、駆虫したときには頭節も出てくるので頭節の違いを説明したものも正解として採点します。

問5(7) 人体有鉤嚢虫症の自家感染について尋ねる問題ですが、理解が曖昧な解答が目立ちました。基本的に有鉤条虫はヒトが終宿主で、成虫はヒトの小腸に住み着きます。ブタなどが中間宿主になり、ヒトの排泄物に混ざった虫卵を摂食したブタの筋肉中で有鉤条虫は幼虫(有鉤嚢虫)として寄生します。ヒトは有鉤嚢虫が寄生した豚肉を摂食して感染します。嚢虫が経口感染するとヒトの小腸で成虫になります。ところが、ヒトでも虫卵が経口感染するとブタのように中間宿主として有鉤嚢虫を形成します。このとき、虫卵から六鉤幼虫が出てきて、これが腸粘膜に侵入して様々な組織(筋肉、眼球、脳など)で嚢虫を形成します。これが人体有鉤嚢虫症で、この小腸以外の組織に寄生した幼虫は成虫にはなれません。さて、本題の自家感染ですが、ヒトの小腸に寄生した有鉤条虫の成虫は受胎体節を形成します。通常、受胎体節は順次ちぎれて排泄されますが、これが排泄される前に消化されて、中の虫卵が遊離してしまうと、虫卵を飲み込んだ時と同じことが起こります。つまり、六鉤幼虫が孵化して腸粘膜に侵入します。これが自家感染です。糞線虫の自家感染の場合、成虫の数が増加しますが、有鉤条虫の自家感染の場合、幼虫(有鉤嚢虫)の数は増加しますが成虫は増加しない点が違います。有鉤嚢虫は 5~10mm の半透明の水疱様の嚢胞ですが、自家感染で数が増すと、空間占有性病変(SOL: Space Occupying Lesion) として圧迫症状をおこすことがあります。神経脳嚢虫症になると、死に至ることもありますので注意が必要です。

問7(1)ブルース・トリパノソーマの免疫回避機構を尋ねる問題ですが、「ブルース・トリパノソーマ」を理解していないような解答が目立ちました。ブルース・トリパノソーマ(Trypanosoma brucei)はツェツェバエによって媒介されるアフリカのトリパノソーマです。ガンビアトリパノソーマ(Trypanosoma brucei gambiense)とローデシアトリパノソーマ(Trypanosoma brucei rhodesiense)が知られています。これらの免疫回避機構として細胞表面の変異性表面糖タンパク質 (variable surface glycoprotein; VSG) を変化させる抗原変異の仕組みが適切に説明されていることが重要です。
12月28日

寄生虫学本試験
採点結果
平均:65.8
最高:89.5
最低:18.5

以下の学籍番号の学生は、寄生虫学本試験で合格点に満たなかった者で、レポート課題(A)と口頭試問により合否を判定する。期限内に課題を提出し且つ口頭試問により理解が十分と判定されれば合格とするが、認められない場合は再試験により合否を判定する。
2041013 2041016 2041023 2041029 2041040 2041042 2041047 2041055 2041056
2041059 2041074 2041093 2041095 2041098 1941105      
以下の学籍番号の学生は、寄生虫学本試験で合格点に満たなかった者で、レポート課題(B)と再試験の両方で合否を判定する。但し、レポート課題が不十分と判定されれば再試験は受けられないものとする。難度を上げるのでしっかり準備して臨むように。尚、これ以降の措置はない。
2041002 2041031 2041036 2041043 2041057 2041066 2041068 2041076 2041081
1841051                

再試験:  日時:令和4年2月7日(月)13:00
      場所:205講義室

レポート課題(A): 新しいノートを購入して、寄生虫学本試験の問題(図も含む)を手書きで写したうえ解答も書きなさい。特に記述の解答についてはよく調べて十分量の正確な解答を記載すること。不十分な場合、再試験で判定する。提出の際、口頭試問も行うので必ずメール(kansen@)で提出日時のアポイントメントを取ること。口頭試問で不十分だと判定された場合、再試験で判定する。
   提出期間:令和4年1月10日(月)〜21日(金)  (要アポイントメント)
   提出先: 感染予防医学講座 126室

レポート課題(B): 新しいノートを購入して、指定教科書「医動物学」(改訂7版)の指定範囲(別表)を図表も含め全て手書きで写しなさい。バラバラの紙は受け付けない。ワープロ書きは受け付けない。図は丁寧に、表は漏らすこと無く書き写すこと。乱雑なものや省略があるものは不合格とする。
   提出期限:令和4年1月28日(金)12時(厳守)
   提出先: 感染予防医学講座 126室
但し、令和4年1月20日(木)17時までに提出すれば、こちらでチェックして記入漏れ等がみつかった場合やり直しの機会を与えるが、それ以降の提出分は、不備があった場合レポート課題失格とする。早めに提出するように。

12月28日

レポート課題(B)別表
 
レポート課題内容:
  新しいノートを購入して、指定教科書「医動物学」(改訂7版)の指定範囲(右表)を図表も含め全て手書きで写しなさい。バラバラの紙は受け付けない。ワープロ書きは受け付けない。図は丁寧に、表は漏らすこと無く書き写すこと。乱雑なものや省略があるものは不合格となる場合がある。

p3〜10 総論(図、表も含む)
p12〜13 人体寄生原虫 総論・分類(図も含む)
p26〜27 ランブル鞭毛虫(図も含む)
p29〜33 トリパノソーマ、リーシュマニア(図、表も含む)
p44〜52 マラリア(図、表も含む)
p64〜65 蠕虫類および線形動物 総論・分類(図も含む)
p70〜71 幼虫移行症(図、表も含む)
p72〜77 アニサキス(図、表も含む)
p86〜87 糞線虫(図、表も含む)
p92〜97 糸状虫(図、表も含む)
p102〜103 扁形動物および吸虫類 総論・分類(図も含む)
p110〜113 ウエステルマン肺吸虫(図、表も含む)
p120〜123 住血吸虫(図、表も含む)
p128〜129 条虫類 総論・分類 (図も含む)
p134〜135 無鈎条虫・有鈎条虫(図、表も含む)
p136〜139 単包条虫・多包条虫(図、表も含む)
p182〜192 知識のまとめと検査法
p194〜195 知識のまとめと検査法
1月7日
1月10日
更新
1月11日
更新
1月13日
更新
1月14日
更新
1月19日
更新

レポート課題(A)該当者へ

レポート課題(A)の提出および口答試験のアポイントメントを早めにお願いします。期間は令和4年1月10日(月)〜21日(金)ですが、スケジュールが合わなければ、レポート課題(B)と同じ再試験(筆記試験)を受けていただきます。以下の空欄が対応可能な日時です。この後、会議等が入るとアポイントメントを取れないこともあるので予め承知おきください。
  11:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00
1月10日   2041095     2041042      
1月11日         X 2041047 X  
1月12日   X X X X X X X
1月13日 X 2041093   2041040   X X X
1月14日 2041098 2041016 2041013 X X 2041023 2041055 X
1月16日 X X X X X X X X
1月17日 X X 2041074 2041059 1941105 2041029 X X
1月18日 X 2041056   X X X X X
1月19日 X         2041059   X
1月20日 X X X X   X X X
1月21日 X X X X X X X X

レポート課題(A): 新しいノートを購入して、寄生虫学本試験の問題(図も含む)を手書きで写したうえ解答も書きなさい。特に記述の解答についてはよく調べて十分量の正確な解答を記載すること。不十分な場合、再試験で判定する。提出の際、口頭試問も行うので必ずメール(kansen@)で提出日時のアポイントメントを取ること。口頭試問で不十分だと判定された場合、再試験で判定する。
   提出期間:令和4年1月10日(月)〜21日(金)  (要アポイントメント)
   提出先: 感染予防医学講座 126室

1月19日

寄生虫学
レポート課題
(A)
結果

以下の学籍番号の学生は、レポート課題(A)の提出および口頭試問の結果により合格と判定する。
2041013 2041016 2041023 2041029 2041040 2041042 2041047 2041055 2041056
2041059 2041074 2041093 2041095 2041098 1941105      
2月2日

寄生虫学
レポート課題
(B)結果

以下の学籍番号の学生は、レポート課題(B)合格とする。2月7日(月)の再試験を受けてください。
2041002 2041031 2041043 2041066 2041068 2041076 2041081 1841051  
2月4日

寄生虫学
レポート課題
(B)

以下の学籍番号の学生は、体調不良のためレポート課題(B)の提出を2月18日(金)17:00まで延期します。先に2月7日(月)の再試験を受けてください。
2041036                
2月10日

寄生虫学
レポート課題
(B)

以下の学籍番号の学生は、レポート課題(B)未提出のため不合格とします。
2041057                
3月14日

寄生虫学
再試験

以下の学籍番号の学生は、寄生虫学再試験で合格点に満たなかった者です。
2041031 2041036 2041076