News 2022

 ◆ Thai訪問(Chulalongkorn University、Mahidol University、Mahasarakham University)

2022年8月11日-21日

  8月11日〜21日にThaiを訪問しました。海外出張は2年半ぶりです。いつもなら、福岡空港からバンコクへの直行便を使うのですが、コロナ禍で直行便がなく、東京経由で移動したのは疲れました。タイへの入国には制限はありませんが、日本への帰国に厳しい検査(搭乗前72時間以内のPCR検査)が必要でした。

 現在、マッハサラカム大学(MSU)との大学間協定の締結を進めています。今回、MSUのPiyarat Srinontong博士とMOU締結の進捗状況を確認しました。

 また、8/15にはチュラロンコン大学(CU)微生物学教室にて研究セミナーを行いました。そして、次の学術交流は12月に大分大学で実施することになりました。さらに、CUと大分大学のMOU締結のための打ち合わせも行いました。

 マヒドン大学(MU)シリラート病院医学部国際交流課にてYanisa Chuangcham氏と交換留学生受け入れについて話し合いました。また、Watanapa 医学部長を表敬訪問し、Wanitpongpan副学部長(国際交流担当)およびAkaraviputh副医学部長(総務担当)と今後の国際交流について打ち合わせを行ないました。また、今年の6月に当講座に研究室配属した MU医学部2年生のDarinornさん(Deedeeさん)との再会を果たしました。

 さらに、日本学術振興会バンコク研究連絡センター長の大谷吉生氏と面会し、大分大学の国際交流活動の現状とタイの産学官連携の動向について話し合いました。加えて、タイ国教育省のKosol petchsuwan博士(国民立法議会議員,教育科学常任委員会委員)及び Poramet Charoynoot氏とも面会し、さくらサイエンスプランや日タイの教育について意見交換を行いました。

 
Chulalongkorn大学との学術交流 

 CU理学部微生物学教室にてTanapat Palaga教授、Sita Virakul博士と研究セミナーを行いました。これまで両講座は定期的に学術交流を行い、コロナ禍においてもオンラインでセミナーを行うなど活発な交流を進めてきました。今回は、久しぶりに対面でのセミナーでした。やはり、対面の方が活発な質疑応答になりますね。

 セミナーで小林は、炎症性腸疾患におけるプロテアーゼインヒビター(SLPI)の機能に関する我々の最近の知見について紹介しました。炎症性腸疾患は欧米に多い自己免疫疾患ですが、近年、アジアでも増加しており、タイおよび日本でも患者数の増加が公衆衛生上の問題になっています。
 大分大学分子病理学講座の内田先生はタイの各地域におけるピロリ菌の型と病原性との関連について紹介しました。
 当講座卒業生のSaechue博士(Faiさん)は、大分大学で習得したCRISPR/Cas9システムを応用したゲノム編集マウスの新たな作製法(iGONAD法)を紹介しました。
 また、この秋に国費留学生として当講座の大学院生になる予定のEkronarongchaiさん(Nanさん)はCU大学院理学系修士課程で行った研究について紹介してくれました。Sita先生の教室で行った、Graves' ophthalmopathy(バセドウ病眼症)のorbital fibroblasts(眼窩線維芽細胞)におけるヒストン脱アセチル化に関する研究の成果を披露してくれました。

  今年の12月に熊本で開催される日本免疫学会にPalaga教授とVirakul講師が出席される予定なので、次回のJoint Symposiumは大分で開催することで合意しました。

 現在、Chulalongkorn大学と大分大学は、医学部と医学部、および理学部と医学部の学部間協定を結んでいます。今後、両校との交流を益々活発にすべく、大学間協定の締結に向けてどのように進めるか協議しました。

 夜は、バンコク市内での懇親会にお招きいただきました。Nanさんはこれから始まる日本での留学について、先輩であるFaiさんに色々尋ねていました。

Mahasarakham大学との大学間協定に向けて 

 現在Mahasarakham 大学(MSU)との大学間協定の締結を進めています。MSUのPiyarat Srinontong博士と当講座の卒業生のBenjawan Saechue博士とバンコクでお会いして、MSUとのMOU締結の進捗状況を確認しました。COVID-19の影響で手続きが遅れており、今後締結に向けて急いで作業を進めることを確認しました。

Mahidol大学からの交換留学生 

 これまで感染予防医学講座では、Mahidol大学Siriraj病院から医学部学生を研究室配属に受け入れてきました。今年の6月には、2年生のDarinornさん(Deedeeさん)を受け入れています。詳しくは→こちら
そこで、今回のタイ訪問で、内田先生と国際交流課のYanisa Chuangcham氏を訪ね、今後の交換留学生の受け入れ計画について話し合いました。また、Watanapa 医学部長にお会いすることができました。Watanapa 医学部長は、Deedeeさんから大分大学での短期留学の様子を伺っていたようで、受け入れに対する感謝のお言葉をいただくとともに、当該プログラムの重要性をお話しされました。また、Wanitpongpan副学部長(国際交流担当)およびAkaraviputh副医学部長(総務担当)と今後の国際交流について打ち合わせを行ないました。Wanitpongpan副学部長からMahidol大学医学部のアクティビティについて説明を受けた後、現在大分大学の研究室配属に受け入れている2年生に加え、高学年の学生を大分大学の病院実習に参加させるプログラムについて検討してほしいとの要望をいただきました。


日本学術振興会バンコク研究連絡センター訪問 

 今回のタイ訪問で、日本学術振興会バンコク研究連絡センターを訪れ、センター長の大谷吉生氏と面会し、大分大学の国際交流活動の現状とタイの産学官連携の動向について話し合いました。日本の多くの大学がタイの様々な大学と学術交流を行っていますが、このコロナ禍で交流の機会が一気に減ってしまったことについて問題を共有し、今後、以前のような活発な交流を取り戻す必要性を確認しました。
タイ国教育省:コーソン博士と意見交換 

 今回の訪問の目玉!ロイヤル バンコク スポーツ クラブにてタイ国教育省のKosol petchsuwan博士(国民立法議会議員,教育科学常任委員会委員)及びPoramet Charoynoot氏と面会し、さくらサイエンスプランや日タイの教育について意見交換を行いました。