1.教育関係

(1)非常勤講師の派遣
現状の点検
1)地域教育の充実を図るために、他の国立大学、私立大学、コ・メディカル系専門学校、および市町村の要請により、資料1に示すように非常勤講師を派遣している。
2)国立大学への派遣が徐々に少なくなり、19年度の派遣数は14年度の半分である。
3)私立大学等への派遣数はほとんど変化がなく、毎年80人前後である。
4)最近、看護学科の教員を対象に、大分県看護教員養成講習会の講師依頼により非常勤講師を派遣している。

現状の評価
 他の国立大学への非常勤講師派遣数の減少は、全国的にチュートリアル教育が増えて、講義時間数が少なくなったことや非常勤講師の経費が大幅に削減されたことが関連すると考えられる。

将来の改善改革に向けた方策
1)現状の数を維持するためには、教員各自の理解と協力が必要であろう。
2)地域の教育の場との交流の機会を設ける。
 資料4-1

(2)研修登録医の受け入れ
現状の点検
1)地域医療の発展に寄与するために、地域の医師及び歯科医師の申請により、資料2に示すように研修登録医(研修費は月額6,300円)として受け入れている。
2)研修登録医の受入状況を年度別にみると登録医数は平成17年度まで順調にのびているが、平成18年・19年度は激減している。
3)平成13年度から内科第2、内科第3、皮膚科、放射線科、麻酔科、口腔外科、循環器内科がそれぞれ若干名を受け入れている。

現状の評価
1)平成17年度の受け入れが多いのは、麻酔科が7名、皮膚科が4名を受け入れたことによる。
2)18年度研修登録医の激減は、新医師臨床研修制度の影響を受けているのかもしれない。
3)地域の医師不足により地域の医療機関から大学病院への研修にでる機会が少なくなったことも関連があるかもしれない。

将来の改善改革に向けた方策
1)研修内容の充実を図る。
2)地域医療機関の連携を図る。
3)医療人の生涯学習の機会を多く作る。
 資料4-2

(3)受託実習生の受け入れ
現状の点検
1)受入団体は、大学の薬学部と近隣の専門学校等で、1〜2ヶ月間受託実習生(実習費は月額4,078円)として、資料3のごとく受け入れている。
2)16年度から、臨床工学技師20名と栄養師3名を受け入れたため、受入数が急増した。
3)薬剤師は年々増加しているが、18年度より急増し、19年度は44名、全体の約三分の一を占めた。
4)診療放射線技師は10年間で一人であった。一方、歯科衛生士は多く、毎年20名を受け入れている。
5)看護師は毎年少ない。

現状の評価
1)受け入れ態勢が整ったため、平成16年度から臨床工学技師を多く受け入れた。
2)診療放射線技師の受け入れ態勢は出来ているが希望者が少ない。
3)薬剤師の受入が平成18年度より急増した要因は、全国的に私立の薬学部が多く新設され、大分出身者が実習を希望したことによる。
4)平成17年度より救急救命士を受け入れている。

将来の改善改革に向けた方策
1)診療放射線技師、栄養師および看護師に対して、地域の各医療施設や団体にアピールする。
2)薬剤師を40名以上の受け入れに対応した環境の整備を図る。
3)平成19年度は救急救命士が7名となり、今後も増える傾向にあることから、その環境を整える必要がある。
 資料4-3

(4)病院研修生の受け入れ
現状の点検
1)地域の医療職を育成するために、地域医療従事者(特にコ・メディカルスタッフ)からの申請に基づき、資料4に示すように病院研修生(研修費は月額4,078円)として受け入れている。
2)薬剤師を毎年受け入れている。過去の実績(毎年約20名)に比べると大幅に少ない。
3)看護師の受け入れは、平成16,17年度は0であるが、平成18年度は28人と急増し、19年度は1人となっている。
4)診療放射線技師、理学療法士、視能訓練士、歯科衛生士および栄養士を過去10年間受け入れていない。

現状の評価
1)18年度の看護師受け入れが突然多くなった。原因はA病院が新しく心臓血管外科の診療を始めたことによる。
2)治験コーディネーターの資格を得るために、研修を受けていた看護師の受け入れが、16年度からなくなっているが、研修生規程外で契約締結による研修生を若干名受け入れている。

将来の改善改革に向けた方策
1)大学の役割として、医療人の生涯学習の機会と内容の充実が求められ、本学も積極的にこれに対処してきた。しかしながら、決して充分ではなかった。受け容れに際して、積極的に環境の整備を行うとともに、引き続き地域の医療機関と連携を図る必要がある。
 資料4-4


2.医療関係
(1)地域医療機関への医師派遣
現状の点検
 地域医療機関等への医師派遣については,その派遣システムの透明化が指摘される中で,平成16年度より,本院においても地域医療対策委員会を立ち上げ,医師派遣依頼の窓口を一本化し透明性の確保を図っており、派遣状況は次表のとおりである。
平成16年度に要請が多かったのは、このシステムが始まったことで、従来は派遣先でなかった病院が、数多く申し込んできたことに依る。次の年からは従来の派遣先の交代要員を要請してきたものが主体である。
 資料4-5

現状の評価
 地域医療に必要な医師が不足しその確保は全国的問題となっているが、本学もその渦中にある。診療科によってバラツキがあるものの、ほとんどの科は絶対数が不足しており、従来からの派遣先の要請に応えるのが精一杯で、新たなる派遣は極めて厳しいのが実状である。 将来の改善改革に向けた方策
 派遣要員の不足は、本学を卒業しても県内にとどまる学生が少ないことに起因する。他の要因もなくはないが主因はこの現象にある。地元から優秀な学生が多く入学して欲しい。広報が大切と考え、大学主催のオープンキャンパスに積極的に参加、更には高等学校へ出向いての大学説明も開始した。また、平成20年度より学士入学定員10名中の3名を地域枠とすることを決定した。なお、国家レベルでも医師の増員が決定され、本学も平成21年度より入学定員は5名増員となる。一方、卒後2年間の初期臨床研修はその後の医師の本県定着化にとって極めて重要と考え、快適に研修できるように卒後臨床研修センターなる名称の会館を構内に建設し、平成18年4月開館した。
  短期的には、各診療科とも今いる人材を適切に配置し地域医療に貢献するべく工夫・努力している。


3.その他
(1)施設開放
現状の点検
1)挾間キャンパスの施設の開放は学内規則に従って実施している。利用件数は,プール,講義室を合わせて年に3件〜10件と年によって差がある。また,貸付料収益は平成18年度から大幅に伸びている。
2)臨床大講義室や通常の講義室も併せて開放しているが,セミナーや外部団体の試験会場などに利用されている。

現状の評価
1)利用件数は年によってばらつきがあるものの,増加の傾向にある。
2)大分大学HPに施設一時貸付利用の手引を掲載し,利用可能施設及び料金などの情報を提供したことにより,利用者の拡大が図られた。

将来の改善改革に向けた方策
1)地域社会の医療・福祉の向上に貢献できるよう地域住民を対象とした平易で役立つ学術講演などの企画を今後も積極的に行う必要がある。
 資料4-6

(2)大学情報の提供等
1)大学進学説明会
現状の点検
a.本学部が行う進学説明会は,毎年,大分県及び近県の高校生,保護者並びに高等学校進路指導教諭等を対象に統合前の15年度までは単科大学として7月下旬頃,統合後の平成16年度からは全学部同日の8月上旬に挾間キャンパスとして午後から実施している。
  説明会では,学科長,入試委員長による医学科及び看護学科の概要説明,入試に関する説明並びに在学生による体験談の他,質疑応答,施設見学,質問コーナーを設け,本学部への理解並びに関心を高めさせ,進学決定の一助としてもらっている。

b.九州管内の各国立大学が協力して,東京都,広島市及び福岡市の3都市で毎年各1回計3回の合同説明会を開催している。統合前は毎年事務担当者が参加していたが,統合後は入試課が事務担当者として参加するため,医学部からは事務担当者は参加せず,医学科,看護学科の教員2名が開催会場2会場に分かれて参加し,ブースにて本学部の概要,入試,カリキュラム,大学生活等の個別相談に対応している。 

c.大分大学と県内の高等学校との連携を目的として設立した連携会議を平成15年から毎年7月に実施している。会議では大分大学入学者選抜に関する事項,大学教育・高校教育及びその接続に関する事項,進路指導,学生生活,大学及び高等学校の改革などについて意見交換を行っている。大学側からは学長,副学長,各学部の教務委員長・学生生活委員長・入試委員長,高等学校側からは高等学校長協会会長・副会長・教育課程専門委員会委員・入試問題専門委員会委員,県産業教育振興会理事長,高教研進学指導部会会長,市立中学高等学校校長会会長・副会長,また,大分県教育庁高校教育課長などが参加している。
  この高大連携の協力・連携を具体的に推進するために下部組織として高大連携ワーキンググループが平成18年に設置された。年2〜4回開催され,入試や出前講義などについての具体的な問題について討議している。

d.県内外の高等学校の進路指導担当者を対象とした入試説明会を毎年7月に開催している。大学側から教育担当理事,各学部の入試委員長,入試担当事務が出席し,次年度の入試に関する変更点などについて説明し,その後質疑応答を行っている。県内外の高等学校から40〜50人の進路指導担当者が参加している。

現状の評価
a.最近は広報活動も普及し,進学説明会も夏の行事として定着してきた。これまで高校3年生が参加の中心となっていたが,高校側も早い時期からの大学進学への目的意識を持たせる等の指導もあり,高校1,2年生の参加も多く,参加者は年々増加している。

b.統合後は毎年,主に東京会場と福岡会場に参加している。東京会場は医学科の教員が福岡会場は看護学科の教員が参加しており,受験希望者からは熱心な質問があるが,それぞれ所属学科以外の学科の踏み込んだ内容については説明が不十分となっている。

将来の改善改革に向けた方策
a.参加者が年々増加していることもあり,これまでの企画を見直し,今後は医学科,看護学科毎の公開授業や実験実習を体験させる等説明会の充実を図りたい。

b.どの会場でもよくある受験希望者からの質問についてはQ&Aを作成する等,所属教員がいなくても対応できるよう改善をしたい。

2)その他のPR活動
現状の点検
 その他の本学部PR方策として以下の活動を行っている。
a.出前講義
 各高等学校等からの依頼により,本学教員が高等学校等に出向き,希望のテーマに添った模擬授業を行っている。

b.高校の大学訪問
 各高等学校からの依頼により,本学に高校生を招いて大学の模擬授業・実験体験等を行っている。

c.キャンパス大使
 本学の学生が夏季休暇中に出身校を訪問し,大学の授業や学生生活の様子,また大学入学までの入試に対する取り組み方等を後輩の進路の参考にしてもらえるようアドバイスしている。

d.学生によるオープンキャンパス
 本学部主催のオープンキャンパスとは別に,高校生との距離が近い在学生が主体となってオープンキャンパスを開催し,高校生への対応も学生が行うことで,大学生活のプレ体験をしてもらっている。

現状の評価
 上記a・bのPR活動は統合前から,c・dのPR活動は統合後の平成18年度から実施しているが,大分大学と大分県内の高等学校との連携会議等での意見交換でもPRするなど広報活動も年々充実し定着してきた。

将来の改善改革に向けた方策
  今後も多数の志願者獲得に向け,医学部概要(入試用),パンフレット及びポスターを作成し,大分県内の各市町村等にも設置する等,広報活動に努めたい。

  

  医学部の理念と目的
  施設設備
  国際交流
  社会的貢献
     1.教育関係

     2.医療関係

     3.その他
  管理運営・財政
  自己点検・評価体制