本院で同種造血幹細胞移植治療をうけた成人T細胞白血病・リンパ腫の患者さん・そのドナーさん、およびご家族の皆様へ~同種造血幹細胞移植をうけた患者さまのカルテから得られたデータの医学研究への使用のお願い~

【研究課題名】
成人T細胞白血病・リンパ腫に対する同種造血幹細胞移植における移植方法と予後の関連の検討

【研究の対象】
 この研究は以下の方を研究対象としています。
1990年1月~2022年8月に当院で同種造血幹細胞移植を受けられた成人T細胞白血病・リンパ腫の方、同種造血幹細胞移植とは骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血(さいたいけつ)移植を含みます。

【研究の目的・方法について】
 同種造血幹細胞移植は成人T細胞白血病・リンパ腫 (ATL) を発症した患者さんにおいて生命予後を改善することが明らかとされており、現在は標準的治療として積極的に行われています。同種造血幹細胞移植として、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植が行われ、またHLAと呼ばれる白血球の血液型が異なるドナーからの移植方法も行われています。最近ではHLAが半分だけ合致した血縁者からの移植 (HLA半合致移植)方法が急速にひろがり、ATL患者さんにも積極的に行われるようになってきました。このように様々な移植方法が存在し、これらはドナーの有無、ATLの病勢、患者さんのドナー反応性の抗体の有無などにより選択されています。急性白血病においてはどの移植法においても生命予後は大きく変わらないことがすでに知られています。しかしATL患者においてはどの方法がもっとも良好な治療効果が得られるのかは、十分に知られていません。そのため本研究では当院で同種造血幹細胞移植を行ったATL患者さんについてカルテの情報を用いて移植方法ごとの転帰(生存、再発、合併症発症など)を調査します。この研究は当院におけるATLの移植法の成績を評価し、どの方法を用いた移植で予後がよかったのかを明らかとすることにより、今後の移植成績向上につなげることを目的としています。
本研究で得た患者さんの診療情報は、学会や科学専門誌などの発表に使用される場合がありますが、名前など個人を特定するような情報が公表されることはなく、個人情報は守られます。

研究期間:(医学部長実施許可日)~2024年12月31日

【使用させていただく情報について】
 本院におきまして、既にATLに対し同種造血幹細胞移植を受けられた患者さんと造血幹細胞移植ドナーの診療情報 (情報: カルテ番号、生年月日、性別、病歴、治療歴、HLA、血液検査、移植後合併症、再発や生存など)を医学研究へ応用させていただきたいと思います。
なお、本研究に患者さんの診療記録(情報)を使用させていただきますことについては、本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査・承認され、大分大学医学部長の許可を得て実施しています。また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく情報の保存等について】
診療情報については論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、診療情報については、シュレッダーにて廃棄したり、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合はそれぞれの保存期間を超えて保存させていただきます。

【外部への情報の提供】
本研究で収集した試料・情報を他の機関へ提供することはありません。

【患者さんの費用負担等について】
本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来医薬品などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。
 
【研究資金】
 本研究においては,大分県がん研究振興財団の奨学寄付金を用いて研究が行われます。

【利益相反(りえきそうはん)について】
 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。

【研究の参加等について】
本研究へ診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。
                   
【研究組織】
         所属・職名         氏名
研究責任者
腫瘍・血液内科学講座 教授    緒方正男
研究分担者
輸血部  講師        高野久仁子
血液内科 助教      井谷和人
血液内科 病院特任助教    奥廣和樹
血液内科 病院特任助教    諸鹿柚衣
血液内科 医員     麻生優花
血液内科 医員     春山誉実
血液内科 医員      吉田匡貴
血液内科 医員     丸山莉果

【お問い合わせについて】
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
電 話:097-586-6275
担当者:大分大学医学部腫瘍血液内科学講座 教授 緒方正男(おがたまさお)

2022年12月28日