乳癌/卵巣癌既往があるAML・ALL・MDS患者における同種移植成績及び移植後のHBOC関連癌再発/発症リスクに関する検討 について

1. 研究の名称
乳癌/卵巣癌既往があるAML・ALL・MDS患者における同種移植成績及び移植後のHBOC関連癌再発/発症リスクに関する検討

2. 研究の目的
遺伝子解析が広く行われるようになるにつれて、血液疾患に対して造血幹細胞移植を受ける患者さんのなかに偶発的に遺伝性乳癌卵巣癌症候群(Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome: HBOC)がみつかることが増えてきています。
造血幹細胞移植は、治療自身が移植前処置やGVHDによる細胞障害及び移植後の免疫低下により二次癌の発生リスクに寄与することが知られていますが、HBOCのようにもともと癌の発生リスクが高い患者さんに与える影響については未だ分かっていません。
この研究では、HBOCの患者さんにおける同種移植後の発がんリスクの評価と、移植前後のHBOC関連腫瘍の治療及び予防に関する課題を検討することを第一の目的としています。検討を通じて、これらの背景をもつ患者さんに対する適切な移植方法を検討し、予後の改善を目指すことが最終的な目的です。
なお、この研究では、同種移植を行う際に同意いただいた日本造血・免疫細胞療法学会(JSTCT)/日本造血細胞移植データセンター(JDCHCT)が実施する「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」の移植登録一元管理プログラム(TRUMP)データを元に、患者主治医への二次調査を行います。追加での遺伝子解析等は行う予定はありません。

3. 研究期間
研究機関の長の実施許可日から2028年11月30日
※遵守すべき指針やガイドラインの改正に合わせ、適宜研究計画の改定・延長を行います。

4. 倫理審査と許可

今回の研究は、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を得て実施するものです。京都大学血液・腫瘍内科が主体となり多くの共同研究機関と協力して行います。

5. 研究機関の名称・研究責任者の氏名
1) 研究代表機関
京都大学医学部附属病院 
1-1) 研究責任者
血液内科・ 講師 諫田淳也
1-2) 分担研究者
・ 血液内科・ 客員研究員 渡邊瑞希
・ 血液内科・ 特定病院助教 竹田淳恵
・ 検査部・ 助教 新井康之
2) 共同研究機関
・ 造血細胞移植学会 WG急性骨髄性白血病(成人)/愛知県がんセンター 
(血液・細胞療法部 柳田 正光)
・ 九州大学 (九州大学大学院医学研究院プレシジョン医療学分野 平林茂樹)
・ 福井大学 (血液・腫瘍内科 新家裕朗)
・ 国立国際医療研究センター病院 (血液内科 石山謙)
・ 日本造血・免疫細胞療法学会(JSTCT)/日本造血細胞移植データセンター(JDCHCT)
(熱田由子)
・ 国立がん研究センター中央病院・造血細胞移植科・ 渡邊瑞希(兼 研究代表者)
・ 国立病院機構仙台医療センター 血液内科 勝岡 優奈
・ 国立がん研究センター中央病院 造血幹細胞移植科 伊藤歩
・ 山形大学医学部附属病院 第三内科(血液内科) 東梅友美
・ 神奈川県立がんセンター 血液内科 立花崇孝
・ 島根大学医学部附属病院  血液内科 高橋 勉
・ 鹿児島大学病院  血液・膠原病内科 吉満誠
・ 札幌北楡病院   血液内科 太田 秀一
・ 国立病院機構熊本医療センター 血液内科 河北敏郎
・ 岡山大学病院  血液・腫瘍内科 松岡 賢市
・ 福井大学医学部附属病院  血液・腫瘍内科 新家 裕朗
・ 浜の町病院  血液内科 衛藤 徹也
・ 公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 血液内科 北野俊行
・ 千葉大学医学部附属病院  血液内科 堺田惠美子
・ 独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター 血液・細胞治療科  立川義倫
・ 独立行政法人国立病院機構九州医療センター 血液内科 高瀬 謙
・ 東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科 高橋 聡
・ 市立函館病院  血液内科 堤 豊
・ 名古屋大学医学部附属病院  血液内科 寺倉精太郎
・ 北海道大学病院  血液内科 長谷川祐太
・ 名古屋医療センター  血液内科 今橋 伸彦
・ 大分大学医学部附属病院  血液内科 緒方正男
・ 自治医科大学附属病院  血液科 神田 善伸
・ 川崎医科大学附属病院  血液内科学 近藤敏範
・ 京都府立医科大学 血液内科 藤野貴大
・ 愛知県厚生農業協同組合連合会 江南厚生病院 血液・腫瘍内科 尾関和貴
・ 横浜市立大学附属病院  血液リウマチ感染症内科 萩原 真紀
・ 今村総合病院  血液内科 徳永雅仁
・ 近畿大学病院  血液・膠原病内科 芹澤 憲太郎
・ 大阪公立大学医学部附属病院 血液内科・造血細胞移植科 中前 博久
・ 自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科 賀古真一
・ 愛媛県立中央病院 血液内科 名和由一郎
・ 千葉市立青葉病院 血液内科 永尾侑平
・ 九州大学病院  血液・腫瘍・心血管内科(第一内科) 森 康雄
・ 兵庫医科大学  血液内科 吉原 哲
・ 信州大学 血液内科 中澤英之
・ 公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 血液内科 前田 猛
・ 京都市立病院  血液内科 伊藤 満
・ 虎の門病院分院  血液内科 和氣 敦
・ 大阪大学医学部附属病院  血液・腫瘍内科 上田 智朗
・ 岩手医科大学  血液腫瘍内科 小宅達郎
・ 岐阜市民病院  血液内科 笠原 千嗣
・ 東京科学大学         血液内科            山本 正英
・ 横浜市立大学附属市民総合医療センター 血液内科 宮崎 拓也
・ 熊本大学病院 血液内科 遠藤 慎也
・ 天理よろづ相談所病院 血液内科 特定嘱託部長 赤坂 尚司
・ 長崎大学病院 細胞療法部/血液内科 副部長            糸永 英弘 
・ 社会医療法人神鋼記念会神鋼記念病院 血液内科 科長 常峰 紘子
・ 徳島赤十字病院 血液内科 科長                    尾崎 敬治

6. 試料・情報の利用目的・利用方法 
「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」では個人情報(プライバシー)を保護するため、患者およびドナーの氏名、現住所、電話番号を取得していません。調査対象医療施設内での患者およびドナーの同定のため、施設内でのみ氏名やカルテ番号情報との連結が可能となっています。この研究では、二次調査対象施設において一元管理番号を用いて調査対象が同定されますが、二次調査票データは、JDCHCTにてさらに別の匿名番号が付与された上で研究者の施設に送付されるため、研究者の手元に届いたデータセットは二重に仮名化されています。
                  
7. 利用または提供する試料・情報の項目
二次調査では、乳癌その他のHBOC関連癌の既往があり同種移植を受けた患者さんを対象に、移植前/後のHBOC関連癌の診断や発症、未診断の場合の罹患リスク、移植後のHBOC関連癌の再発及びその治療経過などを収集します。
上記項目は二次調査対象施設においてカルテを参考に収集されます。

8. 利用または提供を開始する予定日
研究機関の長の実施許可日以降(2025年3月27日)

9. 試料・情報の管理について責任を有するものの氏名又は名称 
京都大学医学部附属病院 血液内科 講師 諫田淳也

10. 研究対象者又はその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別される情報の利用又は他の研究機関への提供を停止すること
ご提供いただいた検体は、研究用のコード番号で管理し、ご提供いただいた方の個人情報が研究利用の段階で漏えいすることがないよう管理します。研究の停止の求めがあった場合は情報の利用/提供を停止しますが既に解析が終了した分に関する削除/変更は行いません。
研究協力を辞退されても診療上の不利益を被ることはありません。

11. 研究資金・利益相反について
本研究は運営費交付金により実施します。特定の企業からの資金提供は受けていません。利益相反については、京都大学利益相反ポリシー、京都大学利益相反マネジメント規程に従い、京都大学臨床研究利益相反審査委員会において適切に審査しています。また、共同研究機関においても各機関の規程に従い審査されています。

12. 他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内での研究に関する資料の入手・閲覧およびその方法 
研究の進捗状況に関する情報公開を京都大学血液・腫瘍内科ホームページ(http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~hemonc/)で行います。

13. 研究対象者及びその関係者からの求めや相談等への対応方法
説明の中でわからない言葉や質問、また参加や結果開示のことで相談がありましたら何でも遠慮せずにご連絡ください。
1) 研究課題への相談窓口
血液・腫瘍内科学講座 渡邊瑞希 (Tel) 075-751-3152

2) 京都大学の苦情等の相談窓口
京都大学医学部附属病院 臨床研究相談窓口 (Tel)075-751-4748
(E-mail)ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp
2) 大分大学医学部附属病院の苦情等の相談窓口
大分大学医学部 腫瘍・血液内科学講座     (Tel)097-586-6275

14. 他以下を記載、公開しています。
結果の公表について
この研究によって成果が得られた場合は、国内外の学術集会・学術雑誌などで公表します。その際にも、ご提供者の個人情報が明らかになることはありません。

2025年04月07日