当院で慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫に対してベネトクラクス、リツキシマブ併用療法を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ

2019年11月~2023年9月に慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫に対してベネトクラクス、リツキシマブ併用療法を受けられた患者さんの医療記録情報の医学研究への使用のお願い 

【研究課題名】
再発難治性慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫に対するベネトクラクス、リツキシマブ併用療法に関する多施設共同後方視的観察研究

【研究の対象】
 この研究は以下の方を研究対象としています。
2019年11月~2023年9月に慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫に対してベネトクラクス、リツキシマブ併用療法を受けられた患者さん

【研究の目的・方法について】
慢性リンパ性白血病は、成熟小リンパ球が末梢血、骨髄、リンパ節で増加する疾患であり、発症年齢中央値70歳前後で高齢者に多く、欧米では人口10万人当たり5.1人/10万人の罹患率ですが、わが国では、人口10万人当たり0.5人と稀少な疾患です。末梢血中異常リンパ球が5,000 /μL以上で診断されますが、小リンパ球性リンパ腫は、慢性リンパ性白血病と同様の特徴を示す異常細胞によるリンパ節腫大や肝脾腫を認めますが、末梢血に病変が無いものであり、同じ治療が選択されます。慢性リンパ性白血病はゆっくりと経過をたどり、症状を認めた場合に治療が開始されます。2010年頃までは、シクロフォスファミド、フルダラビン、ベンダムスチン、抗CD20抗体単剤を組み合わせた免疫化学療法が標準治療でしたが、近年、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬であるイブルチニブ、アカラブルチニブが初回治療で保険承認され、生命予後の改善を認めています。一方で、再発難治例に対してはBCL2阻害薬という分子標的治療薬のべネトクラクスと抗CD20抗体薬であるリツキシマブの併用療法であるVenR療法が2019年にわが国において保険承認されました。わが国では希少な疾患であり、VenR療法の有効性や安全性を含めた使用実態に関しては不明な点が多いです。多数例の実臨床におけるVenR療法の治療実態を明らかにすることは、VenR療法を選択するうえで重要な情報になると考えられ、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫の治療成績向上に寄与することを目標としております。
 本研究では、大分大学医学部附属病院、大分県立病院および大分県厚生連鶴見病院の3施設から日常診療内で行われた慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫の治療に関する診療情報を大分県立病院 血液内科に提供後、データ解析を行います。

研究期間:2023年11月20日から2024年12月31日まで

【使用させていただく情報について】
 当院におきまして、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫に対してVenR療法を受けられた患者さんの診療情報(情報:性別、年齢、血液・骨髄・リンパ節の検査データ、病歴、既往症、治療経過、有害事象等の発生状況等)を調べさせていただきます。なお患者さんの診療記録(情報)を使用させていただきますことは大分大学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査・承認され、大分大学医学部長の許可を得ています。また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、特定の個人を識別できないよう加工したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく情報の保存等について】
本研究で収集した患者さんの情報は論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、シュレッダーによる廃棄やパソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。

【外部への情報の提供】
本研究の主施設である大分県立病院への患者さんの情報の提供については、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。なお、大分県立病院へ提供する際は、研究対象者である患者さん個人が特定できないよう、氏名の代わりに記号などへ置き換えますが、この記号から患者さんの氏名が分かる対応表は、大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座の研究責任者が保管・管理します。なお、取得した試料・情報を提供する際は、記録を作成し大分大学医学部腫瘍・血液内科学講座で保管します。また、大分大学医学部長宛へ提供の届出を行い、提供先へも提供内容がわかる記録を提出します。

【患者さんの費用負担等について】
本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来医薬品などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。
【研究資金】
 本研究において生じる得る費用(書類作成等の諸経費)に関しては、大分県立病院血液内科 研究研修費を用います。当院にて費用負担はありませんが、発生した場合は、大分大学医学部 腫瘍・血液内科学講座の寄附金を使用します。患者さんの費用負担はありません。

【利益相反(りえきそうはん)について】
 本研究では特定の企業からの資金を一切必要としません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭及び個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反」は発生しません。

【研究の参加等について】
本研究へ診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。
                   
【研究組織】
【当院における研究組織】
所属・職名           氏名   
研究責任者 大分大学医学部 腫瘍・血液内科学講座 教授  緒方 正男
研究分担者 大分大学医学部附属病院 輸血部  講師    髙野 久仁子 
大分大学医学部附属病院 血液内科 助教    本田 周平
       大分大学医学部附属病院 血液内科 病院特任助教 諸鹿 柚衣
大分大学医学部附属病院 血液内科 病院特任助教 奥廣 和樹
大分大学医学部附属病院 血液内科 医員    坂田 真規
大分大学医学部附属病院 血液内科 医員    吉田 匡貴
大分大学医学部附属病院 血液内科 医員    岩永 愛実
大分大学医学部附属病院 血液内科 医員    児玉 洋資

【研究全体の実施体制】
所属・職名           氏名
研究代表者   大分県立病院 血液内科          佐分利 益穂
共同研究機関 大分県厚生連鶴見病院 血液内科 中山 俊之



【お問い合わせについて】
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
  電 話:097-586-6275
 担当者:大分大学医学部 腫瘍・血液内科学講座 教授
     緒方 正男(おがた まさお)

2023年12月05日