同種造血細胞移植後にHBV再活性化を診断された方へ 「同種造血細胞移植後B型肝炎ウイルス再活性化例の後方視的解析」へご協力のお願い―

【研究課題名】
同種造血細胞移植後B型肝炎ウイルス再活性化例の後方視的解析
【研究代表機関名・研究代表者名・所属】
北海道大学病院 血液内科 小野澤真弘
【共同研究機関名・研究責任者名】
名古屋市立大学病院 楠本茂
国立国際医療研究センター 溝上雅史
大阪市立大学 田守昭博
今村総合病院 中野伸亮
神奈川県立がんセンター 田中正嗣
自治医科大学附属病院 畑野かおる
【既存情報の提供のみを行う機関】
造血細胞移植学会主導研究「HBV既往感染歴を有する同種造血細胞移植レシピエントに対する、HBワクチンによるHBV再活性化予防法のランダム化検証的試験(PREVENT HBV)」(UMIN:000034113)参加病院 54機関

1.研究の背景および目的
B型肝炎ウイルス(HBV)は一旦感染すると、免疫ができたあとも肝臓の中にウイルスが残り、化学療法や免疫抑制療法により再活性化を起こすことがあります。このようなHBV既往感染症例では、血液疾患の治療のために同種造血細胞移植を受けられたあと、長期に渡ってHBV再活性化のリスクがあります。気づかずに肝炎を起こすと劇症肝炎となりやすく、命に関わることがありますが、定期的なPCR(血液検査)でHBV再活性化を見つけ出し、HBVに対する抗ウイルス剤(核酸アナログ)を内服することで、肝炎の発症を抑えることができます。現在”定期的なPCRでHBV再活性化を見つけ出し、先制攻撃として抗ウイルス剤を飲み始めること”はガイドラインで規定されていますが、飲み始めた抗ウイルス剤をいつまで飲み続ける必要があるのかがまだ明らかにされていません。本研究では、同種造血細胞移植後のHBV再活性化に対する、抗ウイルス剤内服の期間や内服中止後のHBV再々活性化の頻度について、全国の造血細胞移植を行う施設にアンケート調査を行います。

2.研究の方法
1) 研究対象者
2010年1月~2020年12月の間に上記の医療機関で、同種造血細胞移植後HBV再活性化と診断され、抗ウイルス剤(核酸アナログ)を投与された患者様。

2) 研究期間
   実施許可日~2024年3月31日。

3) 研究方法
研究対象者のすでに行われた治療について、診療録に残っている情報(病歴、血液検査、投薬歴などのデータ)を抽出し解析させていただきます。すでに行われた治療やその経過について調査をするものであり、この研究に参加することにより負担が増えることや今後行われる治療への介入はありません。

4) 研究に用いる情報の種類
診療録から以下の情報を抽出し使用させていただきます。
①患者背景(年齢、性別、病歴、診断名、治療歴)
②検査所見(血液検査など)
③その他の診療録の記録内容(核酸アナログ投与歴)
*この研究は、北海道大学病院及び同種造血細胞移植を行っている機関で実施します。上記のカルテ情報を本研究のために、研究事務局である北海道大学病院に電子的配信で送付されます。

5) 外部への情報の提供
研究に係る情報を取り扱う際は、あらかじめ対象となる患者様の個人情報(氏名やカルテ番号など)を削除した番号(研究用番号)を付して匿名化して管理します。共同研究機関に匿名化された情報を提供する場合は、対象となる患者様の個人情報が院外に漏れないように十分配慮します。

6) 試料・情報の保存、二次利用
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、北海道大学血液内科で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。情報が記載された用紙は、血液内科医局内の特定のキャビネットに施錠した状態で保管します。また保存している情報は将来的に他の研究に二次利用することもあります。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、臨床研究審査委員会にて承認を得ます。保存した情報はさらに延長して保存することもあります。

7) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの試料・情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2024年3月31日までの間に下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。

8) この臨床研究への参加により予想される利益および不利益
この研究で解析される結果によって,今後本疾患の治療を受ける患者さんが利益を得る可能性が期待されるものの,まだ確実なデータが示されているわけではありません。本研究に参加した場合,直接現在の患者さんにとって利益はありません。
本研究に参加された患者さんが新たに組織を採取されることはありません。また経済的な不利益となることはありません。あなたの情報は上記5)・6)にありますように匿名化された上で研究代表者に送付され、外部に漏れないよう安全管理措置が講じられています。そのため不利益を受ける可能性はきわめて低いと思われます。

[研究責任者名・所属] 緒方 正男(大分大学医学部 腫瘍・血液内科学講座:教授)
[連絡先・相談窓口]
大分大学医学部 腫瘍・血液内科学講座  
担当医師:緒方 正男
住所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ケ丘1-1
電話:097-586-6275  FAX:097-586-6276 

2022年05月10日