(SATREPS・フィリピン狂犬病)狂犬病対策法(迅速診断法と狂犬病発生時迅速対応アプリ)研修を開催しました

大分大学医学部微生物学講座のSATRESフィリピン狂犬病対策プロジェクト(Japan and Philippines One Health Rabies project: JAPOHR プロジェクト)では、大分県の民間企業アドテック社と共同開発した狂犬病迅速診断キットを活用して、フィリピン国内の自治体レベルで狂犬病検査が行えるよう支援しています。また、フィリピン農業省と共同開発した狂犬病データ共有アプリを活用した新たな対策方法の普及による狂犬病撲滅活動を推進しています。その手始めとして、2022年11月23・24日に、フィリピン農業省畜産局とプロジェクトは、5ヶ所の動物疾病診断検査室 と8つの自治体の獣医局に対して2日間の研修者研修(trainer’s training)を実施しました。

狂犬病診断技術の普及計画を作成する際には参加者による活発なディスカッションが行われ、迅速診断法に対する期待と関心の高さがうかがわれました。またWOAH(国際獣疫事務局もしくは世界動物保健機構)のトンプソン博士から、迅速診断キットは現場での狂犬病診断件数を増やしサーベイランス能力を向上させるツールとして有用であるという前向きな助言を受けました。今回の2日間にわたる技術研修を通して、フィリピン各地の動物疾病診断検査室が同様の研修を周辺の地方自治体へ実施し、狂犬病の迅速診断法とデータ共有アプリの導入を全国に広めていくことが期待されます。

本研修の詳細な報告は、JICAホームページhttps://www.jica.go.jp/project/philippines/014/news/20221124.htmlよりご覧になれます。