大学院生のアラインさんが、南アフリカ共和国にて開催された第1回「アフリカ・ヘリコバクターと細菌叢の国際会議」にて、最優秀口頭発表賞を受賞

8月17日、大学院生のアライン(Alain Cimuanga Mukanya)さんは、第1回「アフリカ・ヘリコバクター・微生物叢研究グループ(AHMSG)国際会議」(2024年8月16-17日、南アフリカ共和国ケープタウン)に参加し、口頭発表を行いました。このワークショップは、「アフリカ・ヘリコバクター・微生物叢研究グループ(AHMSG)」が新しく組織され、所属する研究者により初めてアフリカで開催された、ヘリコバクターピロリ菌に関する国際会議です。アラインさんの発表は、ワークショップで発表された発表の中から最優秀口頭発表賞を受賞しました。

タイトル:
Synergistic effects of T558S and N562H as novel penicillin-binding protein 1a amino acid substitutions contributing to high-level amoxicillin resistance of Helicobacter pylori (高いアモキシシリン耐性を示すヘリコバクター・ピロリ菌におけるペニシリン結合蛋白質1Aの新規アミノ酸置換T558SとN562Hの相乗効果)

本発表では、コンゴ民主共和国で分離された高いアモキシシリン耐性株で認められた4つのアミノ酸変異(うち2つは新規変異)の機能を解析しました。この4つのうち1アミノ酸変異だけでは耐性を示しませんが、2つおよび4つの変異を同時に実験株に導入すると、より高いアモキシシリン耐性を再現しました。さらには蛍光ペニシリンとアモキシシリンの競合的解析により、上記2および4変異のあるペニシリン結合蛋白質1Aでは、アモキシシリン結合能が低下していることを証明しました。また、蛋白質構造モデル解析よりアミノ酸置換のもたらす機能変化を推測しました。この研究では、新しい相乗的なアモキシシリン耐性機構を明らかにし、アモキシシリン耐性ピロリ菌判定の新しい遺伝子マーカーとなることを見出しました。